消えていくミツバチ

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ミツバチの群れが突如巣箱から消失するという現象が世界中で起こっています。最初に報告されたのは、2006年の秋、米国でのものでした。最初は数人の養蜂家がミツバチの群れがいなくなっていることに気付いたということですが、この現象は次第に全米へ、そして世界中へ広がり、「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder、CCD)」という名称で呼ばれるようになりました。ここ数年で日本の新聞や報道番組等でもたびたび取り上げられているので、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

ミツバチの巣箱

ミツバチは、女王蜂を中心としたコロニーと呼ばれる群で生活し、自分の巣箱へ戻る帰巣本能が高く、住処である巣箱を外部の敵から守る習性があります。巣箱に近づいた人間を針で刺すのも、巣箱を守ろうとするためですが、そんなミツバチたちが突如巣箱から姿を消すだけでなく、奇妙なことにそのミツバチの死骸も巣箱の近くでは見つからないそうです。米農務省が2015年5月に発表した調査結果では、米国内のミツバチの群れが4月までの1年間で42.1%消失し、これは2013年の45.2%に次ぐとして、農業関係者を始めとした多くの人々に衝撃を与えました。また2013年頃からは、日本でもこの現象が報告されています。また近年では、ララ・ソロモンの故郷であるソロモン諸島でも、ミツバチに関する問題が浮上しています。

巣箱から出入りするミツバチ

ミツバチがいなくなる原因とは
ミツバチがいなくなる原因については、農薬やストレスなど様々な原因が考えられるといわれていますが、決定的なものは未解明のままです。

考えられる原因
殺虫剤などの農薬・病原菌や寄生虫・栄養不足・ストレス・遺伝子組み換え作物など

もしミツバチがいなくなったら…
米大手食品ストア・ホールフーズマーケットの報告によると、ミツバチがいなくなってしまったら同社のストア店内に並ぶ全453種もの農作物からリンゴやたまねぎ、ニンジン、マンゴー、レモンなど237種も失うことになるということです。また、国連環境計画(UNEP)が2013年に発表した報告によると、世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介しているため、ミツバチがいなくなることは私たちの食糧問題へもつながってくると考えられています。

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