ミツバチの冬ごもり

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昨年末、本格的な冬を迎える前に届いたニュース、それは「ミツバチの引っ越し」のニュースでした。寒さの厳しい北国で過ごすミツバチたちが、温暖な気候の南房総へやってくるというものです。
今でこそ東北から房総地域へは高速道路を使って1 日で移動が可能ですが、昔は汽車で何日もかけて運んでいたそうです。

房総地方では、毎年約70軒、1万箱の巣箱(1箱には約2万匹のミツバチ!)を受け入れていて、4月頃の花の開花に合わせて北国に帰っていくといいます。冬になると雪が降り積もる東北地方でも巣箱をきちんと管理すればミツバチたちも厳しい冬を越すことができるとのことですが、東北の養蜂家たちはより強いミツバチたちを育てるために、暖かい土地に巣箱を運び越冬させているそうです。

みつばち

それでは、ミツバチたちはどのように冬を過ごしてるのでしょう。
実は、ミツバチは女王蜂も働き蜂も冬眠することなく、みんなで一緒に越冬します。気温が下がりはじめる頃から巣箱の中に留まるようになり、夏の間に貯めたハチミツを少しずつ食べながら冬を過ごします。中でもセイヨウミツバチは、冬の間も自分たちの巣箱を20℃ ~ 22℃ 前後に保たなければ生きていけないため、蜂球(ほうきゅう)といって“ おしくらまんじゅう” のように体を寄せあい、みずから羽を振るわせて体温を上げて巣箱を温めながら寒い冬を越していくのです。

驚くことに、冬の巣箱にはオスバチはいません。春夏にせっせと貯めたハチミツの蓄えが冬ごもりの時に減ってしまうため、体の大きなオスバチは冬を迎える前に巣箱から追い出されてしまうのだそうです。オスバチは繁殖のために存在し、大切なハチミツを食べるにも関わらず普段は巣箱の中をブラブラしているだけ(!)ですから、メスバチたちも厳しい冬を越すために必死で追い出してしまうのです。巣の中に留まろうとするものなら殺されてしまうこともあるといい、これには少し心が痛みます。
ミツバチたちが元気よく動き回る暖かい季節を迎えるのが今から楽しみです。

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