サルコペニアの改善に繋がる 5-ALA

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「老化」の原因は?

あまり耳にしたくない「老化」という言葉ですが、個々の細胞レベルを見てみると、老化は生まれた直後から始まっています。若い頃は、機能が低下した細胞は取り除かれて、新しく細胞が補充されることで老化を防ぐことができていました。しかし、加齢と共に細胞が入れ替わるスピードが遅くなり、細胞を取り替えることができなくなり、組織の機能が低下して徐々に老化が進行していきます。この老化の大きな原因の一つは、私たちが動くためのエネルギーを作っている「ミトコンドリア」の質の低下が関係しています。老化のスピードは40歳代より加速すると言われていて、活性酸素を取り除く「抗酸化酵素」の能力が急速に減少してしまうからだと考えられています。

健康寿命は何歳?

日本人の平均寿命(2020年厚生労働省調べ)は、男性が81.64歳、女性が87.74歳で今や世界トップレベルに達し、まさに「人生100年時代」といわれるようになりました。しかし、平均寿命は伸びた一方で、他者の助けを借りることなく日常生活を営める「健康寿命」との差は9.4歳でその間、要介護の状態で過ごす方が多いのも事実です。

「65歳以上の高齢者の15%がサルコペニア?」

最近では、高齢者のサルコペニアが問題になっています。サルコペニアとは、加齢によって筋肉が減ったり、体力が低下している状態のことです。転倒しやすくなったり、骨折しやすくなることで、健康寿命や生活の質が大きく落ちてしまいます。サルコペニアを予防するには運動が重要で、特に抗重力筋と呼ばれる筋肉を強化することが大事です。抗重力筋とは、重力に抗って直立位を保つために必要な筋肉のことで、抗重力筋の中でも特に重要なのが、太ももの前面の筋肉やお尻の筋肉です。この2つの筋肉を鍛える運動は、空気椅子の運動が最適です。
椅子に座って立ち上がろうとする姿勢で、お尻が座面から浮いた状態で10秒静止します。それを3〜5回ほど繰り返し、馴れてきたら回数を少しずつ増やしていきましょう。(※腰痛などがある場合は症状を悪化させる場合があるので注意してください。)

空気椅子の運動をしているイラスト

サルコペニア病者用食品の開発にも5-ALA

過去に慶應義塾大学で行われた研究では、「5-ALAを投与したマウスは、筋力が向上し、骨格筋量も増加した」という結果がでていました。また現在、順天堂大学医学部で、65歳以上の方を対象に、サルコペニア状態にある方が5-ALAを摂取する病者食としての活用を検討する特定臨床研究が行なわれています。身体機能の低下は加齢と共に必ず起きますが、5-ALAが、サルコペニアの改善につながってくる未来も近いかもしれません。

花粉症対策にハチミツを

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日本気象協会の発表によると、今年の花粉飛散は、大阪で3月上旬から中旬にかけて、東京では3月中旬から下旬にかけてピークを迎えると予測され、前年比では、九州や東北は地域差が大きく、四国、中国、近畿の飛散量は少なく、東海、北陸、関東甲信、北海道は前シーズンより多い見込みだといいます。九州や北陸、東北、北海道では非常に多く飛ぶ地域もあるということで、去年は症状をあまり感じなかった方も万全な花粉症対策が必要になりそうです。花粉症対策というと、ヨーグルト、甜茶、紫蘇ジュース、緑茶、納豆、ルイボスティー…など様々な食べ物や飲み物が挙げられますが、実はハチミツも花粉症対策に効果的だということをご存知ですか?

杉からたくさんの花粉が飛散している写真

花粉症のメカニズム

ハチミツの効果をお伝えする前に、花粉症がどのようにして起こるのかを理解しておきましょう。花粉症とは、スギやヒノキ等の植物の花粉が鼻や目の粘膜から体内に入ってきた際に免疫反応によって鼻水等の症状が引き起こされることをいい、「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれます。花粉が鼻や目から体に侵入すると、その刺激で「IgE抗体」という物質が作られます。この抗体は全身に行き渡りますが、特に鼻や目の粘膜に集中して、粘膜の表面にある「マスト細胞(肥満細胞)」と結びつきます。この時、花粉は体内から排除すべき異物、と記憶されるのです。そして、花粉が鼻などの粘膜に付着すると、ヒスタミンなどの化学物資を放出し、くしゃみや鼻みず、目のかゆみといった症状が現れ、新たな花粉の侵入を阻止しようとします。これが花粉症の症状です。

ハチミツで花粉症の症状を和らげる

ハチミツには数十種類のポリフェノールが含まれ、強い殺菌効果があるため、花粉症のアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑えてくれる役目を期待できます。また、ハチミツに含まれる糖分・酵素などには抗菌作用があり、細菌の増殖を防ぐ効果も期待できます。ヨーグルトに添えて摂取したり、紅茶や料理に砂糖の代わりとして使用するなど、毎日の習慣としてハチミツを取り入れるのが効果的です。花粉症の症状が強い時には、綿棒の先に少量のハチミツを付けたもので鼻の奥の粘膜や目尻に直接塗布するのも効果があるといわれています。

【参考】
2022年春の花粉飛散予想(第4報)ー日本気象協会
https://tenki.jp/pollen/expectation/
花粉症のメカニズムー厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/dl/ippan2.pdf

美容や健康と湿度の関係

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乾燥の季節がまだまだ続いていますが、身体やお肌の調子はいかがでしょうか?加湿器を使用して快適な環境を整えるだけでなく、水分を意識的に摂取したり、保湿力の高い化粧品を使うなどして、この季節を乗り越えようとしている人も多くいることでしょう。ちなみに、医師や専門家などによると、美容や健康に最適な湿度は40〜60%だそうです。適度な湿度を保つことは、身体の調子を整えたり、美容にも良い効果をもたらしてくれます。また、空気が乾燥している時よりも体感温度を上げてくれるので、寒い季節にはより効果的です。一方で、湿度が40%以下になると、肌やのどの乾燥、ドライアイなどの原因となります。加えて、風邪やインフルエンザのウイルスは、湿度が40%以下の環境で活発化するため、適切な湿度を保つことでウイルス性の感染症を予防することにもつながるのです。反対に、湿度が60%以上になると、カビやダニが繁殖しやすくなり、肌トラブルやアレルギー疾患の原因にもなります。梅雨の時期を思い出すと実感するかもしれませんが、高過ぎる湿度もかえって良くないのです。

部屋で加湿器を使用している写真
最適な湿度を保つために

それでは、最適な湿度を保つためにはどうしたら良いのでしょうか。

  • 加湿器を効果的に使用する

加湿器は置く場所や使い方に注意するだけで、より効果を発揮してくれます。まず、窓際やエアコンの風が直接当たる場所は避けて、部屋の真ん中に置くと、部屋全体の加湿効果が高まります。また、エアコンの下など、エアコンの風が部屋に行き渡る場所に置くのも効果的です。床に直置きしたり、電化製品や家具のすぐ近くに置くのは避けましょう。不具合やカビの原因にもなる可能性があります。また、加湿器の水は毎日こまめに取り替えて、タンクやトレイも清潔に保つようにしましょう。加湿器の内部で雑菌が繁殖して放出されることで、重篤な肺炎などを引き起こ してしまった事例もあるため、安心して使用できるように心がけたいものです。詳しいお手入れ方法は、お使いの加湿器の取扱説明書に従ってください。

  • 観葉植物を置く

植物の葉には、酸素を出す働きだけでなく、水分を出す「蒸散」の働きもあります。根から吸い上げた水を葉から水蒸気として出して、周りの湿度を調整しているのです。大きな葉を持つ植物ほど効果的のようですが、植物には空気清浄の効果もあり、手軽な乾燥対策として取り入れてみるのはいいかもしれません。

  • 濡れたタオル、洗濯物を室内に干す

大量の洗濯物を室内に干すことは抵抗があるかもしれませんが、濡れたバスタオル一枚干すだけでも乾燥した空気には有効です。就寝時、寝室の乾燥予防にもおすすめです。

その他にも、お湯を沸かして蒸気で加湿したり、お湯をコップに入れてテーブルに置くなど、気軽に取り入れられる加湿方法はたくさんあります。できることから取り入れて、意識的に適切な湿度を保つようにしましょう。

森林浴の健康・美容効果

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思い返せば2020年の春先から約2年、私たちは自粛生活を余儀なくされ、日常生活の中でもソーシャルディスタンスを強く意識するようになりました。そんなコロナ禍でも楽しめるアクティビティとして、キャンプやハイキングなどの注目が高まっています。自然の中で過ごした時に、どこか清々しく、身も心も爽快感を体験した人も多いと思います。自然がもたらすこれらの効果は、科学的にも証明されており、樹木が発散する成分「フィトンチッド」がその鍵を握っています。

木々のイラスト

森の香り、「フィトンチッド」って?

フィトンチッドは、主に木の幹や根の中に含まれ、多くは葉から大気中に放出されています。植物や樹木は、害虫や微生物など、たえず侵入しようとするものがいてもその場から動くことができません。そこで有害な微生物や昆虫から身を守り、また傷つけられた時に病気に感染しないよう、自己防衛のために自ら殺菌作用のある物質を作り上げ放出していることが近年の研究で明らかになっています。

森林浴で健やかに、美しく

フィトンチッドは、樹木や植物を守るだけでなく、私たちの人体にも良い効果をもたらすことがわかっています。
・ 身体のストレスに関わるホルモンを低下する
・ 自律神経を安定させる
・ 不安を解消し、快適な睡眠をもたらす
・ 免疫力を高める

このようにリフレッシュやリラックスといった健康に良い影響をもたらす効果が得られることは、インナービューティー効果にもつながってきます。「ストレスは美肌の大敵」といわれますが、イライラしたり悩みや不安を抱えたり、ストレスを抱えることは肌に悪影響をもたらします。精神的ストレス度が高くなると、肌の老化を加速させるストレスホルモンが増加し、自律神経が乱れることで血行が悪くなり、肌に十分な栄養が届かなくなるだけでなく、冷えや肩こりも起こりやすくなります。森林浴によってストレスレベルが低下して血行が改善されると、肌に十分な栄養が届き、肌トラブルが解消され、老化防止にもつながります。また、樹木は水分を多く含むので、肌や髪に潤いを与えてくれる効果もあります。

日頃から大自然に触れるのが難しいという方も、樹木がたくさんある公園を散歩してみたり、市販されているフィトンチッド入りのスプレーなどを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

季節の変わり目や風邪のひき始めにはちみつを

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季節の変わり目になると、なんとなく調子が優れなかったり疲れやすくなったりと、不調を感じることはありませんか?また、だんだんと気温が下がり、乾燥していくこの季節は特に、喉の痛みや咳など、「風邪?」と感じるような不調を突然感じることも。はちみつは、そんなゆらぎやすい季節の変わり目にも、風邪のひき始めにも大活躍してくれる優れものです。

レモンのはちみつ漬け

はちみつがもたらす効果

はちみつには優れた殺菌効果と防腐作用があります。病原菌や細菌の増殖を抑制してくれる効果があり、喉の痛みを解消してくれたり、咳を抑えてくれます。また、はちみつの水分量は約2 0% と低く、適度な粘度もあるため、水分を集めて閉じ込める保湿効果が高く、喉の粘膜を保護する作用もあります。喉に付着した雑菌の増殖を抑えるだけではなく、荒れた粘膜を保護する効果があるのです。英オックスフォード大学の研究結果によると、はちみつは風邪やインフルエンザに似たような症状の緩和について通常の市販薬よりも有効である可能性があることがわかりました。はちみつは昔から咳に対する民間療法としても利用されてきていますが、上気道感染症の症状の改善に関して、通常の治療よりも効果が高かったという結果も。こうした効能から、海外では医療現場でも活用されています。( 詳しくは、(Beauty Times Vol.44)でご紹介しています。)
また、主成分であるブドウ糖と果糖は、体内で分解されずにそのまま吸収されるので、胃腸に負担をかけずに素早くエネルギーに代わるという特徴もあります。はちみつに含まれる「グルコン酸」や「オリゴ糖」は善玉菌の餌となるため、大腸の働きを促し、お腹の調子も整えてくれます。

毎日スプーン一杯のはちみつを習慣に

何かと不調を感じやすい季節の変わり目には、定期的にスプーン一杯のはちみつを取り入れてみるのはいかがでしょうか。特におすすめしたいのが「はちみつレモン湯」。薄切りしたレモンとはちみつにお湯を注ぐだけですが、身体を温めながらはちみつを取り入れることができます。すりおろした生姜を加えるとさらにポカポカに。ぜひお試しください。