呼吸の終着点はミトコンドリア!?
日頃、私たちは意識せずに呼吸をしていますが、私たちが吸った息はどこへ行ってどのように使われているのでしょう?
呼吸は「外呼吸」と「内呼吸」に分かれていますが、呼吸によって取り込まれた空気は、肺で酸素を取り込みながら二酸化炭素を外へ吐き出します。この肺で行われる呼吸が「外呼吸」と呼ばれています。この肺から取り込まれた酸素は、血液中に溶け込んで細胞の中にあるミトコンドリアと呼ばれる小器官に運ばれて使われます。この時に二酸化炭素が生み出され、血液中に排出されます。この呼吸が「内呼吸」と呼ばれています。
このミトコンドリアでは、呼吸によって取り込まれた酸素を使って、食べ物から得た栄養素をエネルギーに変える働きをしていて、体温を保ったり、体を動かしたり、生命活動を支える大切な働きをしています。酸素がうまくミトコンドリアに届けられないと栄養素をエネルギーに変えることができずに、私たちは動いたり呼吸したりすることもできません。呼吸によって取り込まれた酸素は最終的にミトコンドリアで使われていました。
深い呼吸で不調を改善!
ストレスや緊張により自律神経のバランスが乱れ、知らない間に呼吸が浅くなってしまうことがあります。呼吸が浅くなると酸素が十分に取り込まれないので、体がだるくなったり、集中力・記憶力が低下したり頭痛などが起き、生活の質を下げてしまうことにつながります。普段から深い呼吸をして、酸素を体のすみずみまで行き渡らせることが、健やかに過ごすコツともいえるでしょう。腹式呼吸で横隔膜をうまく動かし肺を伸縮させることで、効率よく酸素を取り込むことができます。横隔膜とは、胸とお腹の境界線で仕切りになっているドーム状の筋肉で、シリンダーのように上下に動くことで肺を伸縮させます。腹式呼吸により横隔膜を意識的に動かすことも可能です。
腹式呼吸のポイント
- 背筋を伸ばしてゆったりと呼吸をする
- 息を吸った時にお腹に空気を貯めるイメージ
- お腹の中に風船が入っているイメージ
呼吸とALAの関係
ALA(5-アミノレブリン酸)は、ミトコンドリアの働きを促しエネルギーを生み出す効率を向上させる効果があります。信州大学で行われた運動効率の実験によると、ALAを摂取して運動することで酸素の摂取量と二酸化炭素の排出量、そして血漿中乳酸値がいずれも減少し、運動効率が上がったという発表がありました。それはALAによってミトコンドリアの内呼吸が促進されて酸素の利用効率が向上したと考えられます。深い呼吸はとても簡単で誰にでもできる健康法の一つです。ぜひ普段から深い呼吸を心がけてください。