肌を保湿しないとどうなる?

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化粧水をボトルから手のひらに出している写真

2022年に実施されたとある「スキンケア」に関する調査によると、化粧水を使用している割合は女性が65%、男性が30%という結果で、男性で日常的に化粧水で保湿している人は、女性の半数以下であることが明らかになりました。最近では、男性専用のスキンケア商品も身近なドラッグストアなどで手に取れるようになったとはいえ、実際にはそこまで浸透していないのかもしれませんが、肌を保湿するというのは、性別関係なく、私たちの健康にとってとても重要であるということをご存知でしょうか。

肌が乾燥すると何が起こるのか

肌が乾燥するということは、潤いが失われているということです。たとえば、葉っぱを思い浮かべてください。新緑の葉はみずみずしくハリがあって、表面も滑らかです。一方で、枯れ葉はどうでしょう。水分が失われ、萎れていて、表面がザラザラして細かい筋やシワも目立ちます。肌も同様で、乾燥するとハリつやがなくなり、ターンオーバー(肌が再生するサイクル)が乱れ、くすみやシミ、シワが目立ち、毛穴が開いて目立つようになります。その状態では、紫外線の影響も受けやすくなります。さらに、肌がカサカサしてつっぱる感じがしたり、少しの刺激でもピリピリとした感覚やかゆみ、ひび割れなどの症状が起きたりします。これらは肌の水分が不足して肌のバリア機能が低下することで起きてしまうのですが、放っておくと皮膚疾患などの病気の原因にもなりますので、肌の健康を保つ上で適度な保湿がとても大切です。

肌を保湿すると、これらのトラブルが解消され、健やかな肌状態を保つことができます。みずみずしくハリのある肌は、見た目も若々しく、垢抜けた印象を与えます。保湿することが習慣化されていない方は、まず夜だけでも良いので一週間続けてみてください。化粧水と保湿クリーム(または乳液)だけで構いません。それだけでも肌が変わっていくのをきっと実感できるはずです。その小さな積み重ねが、5年後、10年後の自分の肌へとつながっていくことを想像して、意識的に保湿していきましょう。

サプリメントとの上手な付き合い方

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さまざまな形状のサプリメント

体の不調や以前と体の調子が変わってきたと感じたり、いつまでも若々しくいたいなど、こうした不安や悩みを解消するために選択肢の一つとしてサプリメントへの期待が高まっています。厚生労働省の調査によると、日本人の3人に1人はサプリメントを摂取していて、20代から70代まで幅広い年代で健やかな毎日を過ごすためにサプリメントが取り入れられているといいます。性別に見てみると、すべての年代で男性に比べて女性の方が多く、40代、50代の女性のサプリメント摂取率は40%を越え、健康だけでなく美容をサポートしてくれるサプリメントが多いのも女性の割合が多い理由かもしれません。

健康を維持するためにまず大切なのは、しっかりと栄養バランスのとれた食事です。先ほどの厚生労働省の調査によると、日本人の食生活では、特にビタミン類やミネラル類を多く含む野菜の摂取量が不足しがちで、厚生労働省が掲げる野菜の目標摂取量の350g/1日に対して、実際の摂取量はすべての年代で目標を下回っています。その原因として、20代から50代では「仕事や家事、育児等が忙しくて時間がない」ということが挙げられました。忙しい世代にとっては、足りない栄養素を手軽に補給できるものとして便利かもしれませんが、サプリメントはあくまでもサポート役で、食事の代わりにはなりません。まずは栄養バランスのとれた食事・適度な運動・十分な休息を心がけて、それでも足りない分をサプリメントで補うことが健康への近道といえるでしょう。

効果的なサプリメントの選び方とは

サプリメントを選ぶ際には、栄養をバランスよく摂ることや、体の基本的な機能を整えることにまずは目を向けてみましょう。年齢を重ねて食が細くなってしまい、多くの栄養を食品から摂るのが難しくなった場合には、マルチミネラルやマルチビタミンなど複数の栄養素が含まれたサプリメントが栄養バランスをサポートしてくれるでしょう。お腹の調子が気になる時には、乳酸菌や食物繊維を補うものや、筋力の低下で以前のように思うように体が動かないと気になる時にはコラーゲンやアミノ酸などのサプリメントが活用できそうです。また、改善したい不調がある場合には、症状に合わせたサプリメントを選ぶという方法もあります。

まずは、日頃の食事や生活習慣を見直した上で、サプリメントの上手な活用を考えて上手に付き合っていきたいですね。

熱中症を予防するために

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熱中症を予防するために

涼しい服装
衣服を工夫して暑さを調整しましょう。麻や綿など通気性のよい生地を選んだり、インナーには吸水性や速乾性にすぐれた素材を選ぶとよいでしょう。最近では、ファン付きの服もよく見かけるようになりました。

日差しをよける
帽子や日傘などを上手く使って直射日光を避けましょう。また、できるだけ日陰を歩いたり、外での活動も日陰を利用して行うようにしましょう。

水分・塩分補給
喉が渇いていなくても、水分をこまめに摂るようにしましょう。塩分や糖分を含むスポーツドリンクなどは水分の吸収がスムーズにでき、汗で失われた塩分の補給にもつながります。外出時は、できるだけ常に水分を持ち歩くようにしましょう。

気温と湿度を気にかける
自分のいる環境の気温や湿度を気にかけるようにして、屋内の場合はエアコンや扇風機などを使って調整するようにしましょう。過度の節電をしたり、「このくらいなら大丈夫」と我慢したりするのはやめましょう。

「今年は例年よりも暑い夏になる」と気象予報士がニュースで話しているのを聞くたびに、「今年もまた言っているなぁ。」と感じていたのですが、実際に調べてみると日本の夏(6月〜8月)の平均気温は、この100年で約1.5℃も上昇し、驚くことに東京の平均気温は同じ期間で約3℃も上昇していることがわかりました。ちなみに同じ期間の世界の平均気温上昇は約1℃で、この短期間に日本の気温が急激に上がっていることが読み取れるでしょう。気温が上がることでの自然生態系をはじめ、農業や漁業など自然に依存する産業への影響は計り知れませんが、何より私たちの命が以前にも増して危機にさらされていることをもっと認識すべきかもしれません。総務省消防庁のデータによると、全国で6月から9月の間に熱中症で救急搬送された方は、2010年以降大きく増加し、特に記録的な猛暑となった2018年は9万2710人、次いで2019年が6万6869人、2020年が6万4869人と、近年さらに増加傾向にあります。患者数の増加に伴う死亡者数の増加も顕著で、今から30年前の1993年以前には年間平均67人だったのが、94年以降には平均492人と大幅に増加。2018年以上に亡くなられた方が多かった2010年には1745人の方が熱中症によって亡くなり、93年以前の年平均に比べると26倍にもなっていることがわかります。

発症時の状況を見てみると、65歳以上の高齢者は「在宅中」、7〜18歳は「運動中」、19〜39歳と40〜64歳では「作業中」に熱中症を発症する可能性が高くなっています。また、行動や温度・湿度などの環境だけでなく、身体の調子も熱中症に影響するので、寝不足や二日酔い、コロナやインフルエンザ、下痢など不調の時にはより注意が必要です。

参照:環境省「熱中症の現状と今後について」、国立環境研究所、総務省消防庁

健康と睡眠の関係

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睡眠と健康の関係についての興味深い研究結果が2022年に発表されました。国立精神・神経医療研究センターなどのグループの共同研究によるもので、朝目覚めた時に感じる「睡眠休養感」が健康にとって重要であることが明らかになりました。
睡眠休養感とは、朝起きた時に睡眠によってどれだけ体が休めたと感じたか、睡眠の質を測る指標です。研究では、「働き盛り世代(40〜64歳)」と「高齢世代(65歳以上)」の2つのグループに分けて、「睡眠休養感」と「睡眠時間」、「床上時間(寝床に入ってから寝付くまでの時間も含む寝床で過ごす時間)」を調べ、健康には「睡眠休養感」と「床上時間」が関連していることが示されました。

眠っている

働き盛り世代では、睡眠時間が短く、睡眠休養感が低いほど死亡リスクが高くなり、特に、睡眠時間が5時間30分以下になると、死亡リスクが約1.5倍上昇します。高齢世代では、床上時間が長くて睡眠休養感が低い場合に死亡リスクを高めることがわかり、特に、床上時間が8時間以上で睡眠休養感がない人は、床上時間が7時間ほどでも睡眠休養感がある人と比べて、死亡リスクが約1.5倍を超えることがわかりました。

一般的に加齢とともに必要な睡眠時間は短くなり、60歳では1日6時間ほどの睡眠時間で十分と考えられています。高齢世代は、できるだけ若い頃と同じように睡眠時間を確保しようとして必要以上に寝床に留まってしまう人もいますが、寝付けないことがストレスになり、活動量が減ることで健康に悪影響を与えている可能性もあります。

働き世代は睡眠時間を確保すること、高齢世代は長く寝床に留まらないように注意して、いずれも睡眠休養感につながる睡眠の質の改善を心がけてみましょう。ぬるめの湯船に浸かったり、ゆったりとした音楽や好きな香りでリラックスする時間を作ったり、朝起きたらすぐに日の光を浴びるなど、できることから意識してみるといいかもしれません。

加齢にともなう体の変化

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年齢を重ねるとともに「体力が落ちてきた」「体型が変化してきた」など、身体の機能や外見の変化を皆さんもなんとなく感じているのではないでしょうか。以前と同じ生活をしていてもなんだか違う、そう感じるのは加齢にともなう基礎代謝量の低下が関係している可能性があります。

基礎代謝とは、呼吸をしたり体温を保ったり、心臓を動かしたり、生命を維持するために必要なエネルギーのことで、運動などをしなくても(ソファに寝そべっているだけでも)使い続けているエネルギーのことです。人間が24時間に消費するエネルギーの約60%を占め、その他、身体活動量(約30%)、食事誘発性熱産生(約10%)で総エネルギー消費量は構成されています。この約6割を占める基礎代謝量が加齢とともに減少すると、総エネルギー消費量全体の減少に大きく影響するため、消費エネルギーが摂取エネルギーを下回ることが増え、「年齢を重ねると太りやすくなる」といわれるというわけです。この基礎代謝のピークは、男性は18歳くらい、女性は15歳くらいをピークにその後は年齢とともに低下し、男性は40歳代、女性は50歳代になると急激に減少するともいわれています。

それではどのようにしたら加齢にともなって低下する基礎代謝を上げて、エネルギー消費量の多いからだを作ることができるのでしょうか? 今日からできる方法を紹介します。

保湿された肌

1.定期的に運動する
基礎代謝を上げるには、筋トレや有酸素運動、ストレッチなどを定期的に取り入れてみましょう。無理することなくできるものからでもいいので、筋トレなら1日10〜15回を1〜3セット、有酸素運動なら1日10〜20分程度の軽いジョギングやウォーキングから始めるのがおすすめです。

2.水を飲む
常温の水や白湯を飲むことでからだが温まり、代謝アップが期待できます。また、水を飲むことで血液が筋肉へしっかりと送り込まれ、効率よく筋肉量を増やすのも助けてくれます。

3.からだを温める食べ物を積極的に摂取する
からだが冷えると、臓器の働きが鈍くなり、代謝が低下します。ショウガ、唐辛子、ネギ、ニンニク、らっきょう、カボチャ、ゴマなどにはからだを温めてくれる成分が含まれているので、意識的に摂り入れていきたいですね。

4.腸内環境を整える
エネルギー代謝には、腸内環境が影響を与えていることが明らかになってきています。ヨーグルトや納豆、漬物などに含まれる乳酸菌や、食物繊維を豊富に含む食材を積極的に食べて腸内環境を整えましょう。

年齢を重ねて少しでもからだのことが気になっている方は、無理なく始められそうなことから取り入れてみてはいかがでしょうか。