健康と睡眠の関係

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睡眠と健康の関係についての興味深い研究結果が2022年に発表されました。国立精神・神経医療研究センターなどのグループの共同研究によるもので、朝目覚めた時に感じる「睡眠休養感」が健康にとって重要であることが明らかになりました。
睡眠休養感とは、朝起きた時に睡眠によってどれだけ体が休めたと感じたか、睡眠の質を測る指標です。研究では、「働き盛り世代(40〜64歳)」と「高齢世代(65歳以上)」の2つのグループに分けて、「睡眠休養感」と「睡眠時間」、「床上時間(寝床に入ってから寝付くまでの時間も含む寝床で過ごす時間)」を調べ、健康には「睡眠休養感」と「床上時間」が関連していることが示されました。

眠っている

働き盛り世代では、睡眠時間が短く、睡眠休養感が低いほど死亡リスクが高くなり、特に、睡眠時間が5時間30分以下になると、死亡リスクが約1.5倍上昇します。高齢世代では、床上時間が長くて睡眠休養感が低い場合に死亡リスクを高めることがわかり、特に、床上時間が8時間以上で睡眠休養感がない人は、床上時間が7時間ほどでも睡眠休養感がある人と比べて、死亡リスクが約1.5倍を超えることがわかりました。

一般的に加齢とともに必要な睡眠時間は短くなり、60歳では1日6時間ほどの睡眠時間で十分と考えられています。高齢世代は、できるだけ若い頃と同じように睡眠時間を確保しようとして必要以上に寝床に留まってしまう人もいますが、寝付けないことがストレスになり、活動量が減ることで健康に悪影響を与えている可能性もあります。

働き世代は睡眠時間を確保すること、高齢世代は長く寝床に留まらないように注意して、いずれも睡眠休養感につながる睡眠の質の改善を心がけてみましょう。ぬるめの湯船に浸かったり、ゆったりとした音楽や好きな香りでリラックスする時間を作ったり、朝起きたらすぐに日の光を浴びるなど、できることから意識してみるといいかもしれません。

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