これまで、ララ・ソロモンに配合されているソロモン諸島の熱帯雨林はちみつが森林を守る活動から生まれ、人々の生活につながっているということをお伝えしてきましたが、実はこのような途上国での養蜂プロジェクトというのはソロモン諸島だけでなく、世界のさまざまな地域で人々の暮らしに寄り添っています。
人々の自立を応援! バングラデシュの養蜂プロジェクト
バングラデシュは世界でもっとも飢餓人口が多い国の一つで、5歳未満児の60%以上が栄養不良といわれています。
この国で採れるマングローブの森で採れるはちみつは希少価値が高く、耳にしたことがある方もいるかもしれません。
バングラディッシュでの養蜂活動の一つに、未亡人や一人親、失業中の若者など低所得の人々を対象に行われているものがあります。(※1)このプロジェクトでは毎年、数十名から数百名の村人に養蜂に必要な器具やミツバチを国際NGOが配布し、一年ほどかけて飼育方法や生産技術を指導しています。その後はそれぞれの村人が自分たちの手で養蜂を続け、採れたはちみつを栄養源として食べて栄養状態の改善に貢献するだけでなく、現金収入の手段にもなるといいます。この取り組みにより参加者の収入は向上し、安定した収入が得られるようになっているそうです。
( ※1)出典:Hunger Free World
コーヒーよりも先に始まった!?エチオピアの伝統的な養蜂
コーヒー発祥の地である東アフリカのエチオピアでは、コーヒーの飲用などよりも前から養蜂が行われていたといいます。エチオピアでのはちみつ生産量は、現在毎年4万5000トン以上といわれ、アフリカ一の生産量を誇るだけでなく、世界のはちみつ生産量トップ10に入っているほどの生産量です。エチオピアの養蜂の可能性を広げようと、日本政府のODA事業をはじめ、様々な国際協力NGOが技術支援などでサポートし、森を守りながら人々の生活の向上に寄与しているといいます。特にエチオピアでは、古くから伝えられてきた伝統的な養蜂方法があります。それは、木筒の中をくり抜いた巣箱を開花時期に合わせて木の枝に設置し、野生のミツバチが住み着くのを祈る、というものですが、現在でも95パーセントの養蜂家がこの方法を大切にしながらも工夫を重ねて暮らす人々が多くいるといいます。