日本、そして世界へ広がるミツバチプロジェクト
都市部にあるビルの屋上など小さなスペースを活用して養蜂を行う都市型養蜂の「ミツバチプロジェクト」が近年各地に広がっているといいます。
日本国内では都市型養蜂の先駆けとなった「銀座ミツバチプロジェクト」を耳にしたことのある方も多いでしょう。「銀座ミツバチプロジェクト」は今年12年目を迎え、過去最高の約1.6トンのハチミツが収穫されたそうです。収穫されたハチミツは瓶詰めで販売されるだけでなく、地元の飲食店との共同開発で新商品が続々と誕生しています。また、日本におけるミツバチプロジェクトは、渋谷や自由が丘など東京都内だけでなく、札幌、仙台、名古屋、大阪、大分など全国的に広がりを見せています。
同様のプロジェクトは、日本国内だけでなく、世界の主要都市においても実施されているといいます。フランス・パリでは、エッフェル塔やオペラ座などで養蜂を行っており、パリ産のハチミツは現地のパリジェンヌたちにも人気商品となり、米国・ニューヨークのマンハッタンでは推定400箱以上の巣箱があるという話もあるように、世界中でミツバチプロジェクトが広がっています。
ミツバチがもたらす都市部の可能性
ミツバチプロジェクトは、ハチミツの採取のみを目的とするのではなく、都市部の環境保全や環境教育、地域ブランド開発や蜜源調査などを目的として行われています。都市部で自然と触れ合う機会の少ない子どもたちの教育にとっても、あの小さな体で飛び回るミツバチたちが活躍しているということです。また、前述の銀座やパリのハチミツのように、都市部で採れたハチミツのブランド力を活かした地域ブランドの活性化や地産地消にも一役買っています。ミツバチプロジェクトは、環境保全と都市開発の
共生策として、今後さらなる広がりが期待されています。