5-ALAはアミノ酸の一種?
5-ALA(5-アミノレブリン酸)は、アミノ酸の一種ですが、よく耳にするアミノ酸とは別の種類のアミノ酸です。よく耳にするアミノ酸は、私たちの体を構成するタンパク質を作るためのアミノ酸が主で、20種類のアミノ酸(必須アミノ酸と非必須アミノ酸)があります。
【必須アミノ酸(体内で合成できない)】
イソロイシン・ロイシン・バリン・ヒスチジン・リシン・メチオニン・トリプトファン・フェニルアラニン・スレオニン
【非必須アミノ酸(体内で合成できる)】
アスパラギン・アスパラギン酸・アラニン・アルギニン・システイン・グルタミン・グルタミン酸・グリシン・プロリン・セリン・チロシン
私たちの体のおよそ20%がタンパク質でできていますが、このタンパク質は、これらわずか20種類のアミノ酸が繋がってできていて、膨大な種類のタンパク質がそれぞれの役割を担いながら体の中で働いています。
特殊なアミノ酸5-ALA
これらのアミノ酸以外に、自然界には、約500種ほどのアミノ酸が発見されていて、タンパク質を構成するアミノ酸以外に、体内の細胞や血液中などに蓄えられている特殊なアミノ酸があります。遊離アミノ酸と呼ばれるアミノ酸でオルニチンやタウリンなどがあり、私たちの生体を維持するために重要な役割を担っています。5-ALAもこの遊離アミノ酸の一種で、数多くのアミノ酸の中でも唯一、体内で鉄分と結びついて血液中で酸素を体中に行き渡らせるヘモグロビンとなったり、マグネシウムと結びついて葉緑素の原料になる、とても稀有なアミノ酸です。
36億年前から存在している5-ALA
36億年前の創成期の頃から、地球上に存在する天然アミノ酸のひとつで、生命の根源物質とも言われています。もともと5-ALAは、ミトコンドリアという細胞内の小器官で生まれ、8つの5-ALAが合わさってヘムという物質の元になります。このヘムが生命活動の鍵となり、先程のヘモグロビンになったり、取り入れた酸素と食物をエネルギーに変換する、中心的な役割を担っています。つまり5-ALAがなければ、私たちはエネルギーを得ることができずに、動くことすらできません。
外から摂取された5-ALAの行方は?
多くの場合、体の中に存在する物質は、外から摂取するだけでは本来の効果を発揮する場所までたどり着くことができずにうまく働くことができませんが、5-ALAは、2つのアミノ酸が結合した分子の大きさと同じぐらいの大きさで、細胞の表面にある入り口から細胞内へ入り込むことができます。
さらに、細胞内にあるミトコンドリアで生まれた5-ALAは、一度ミトコンドリアの外に吐き出されるので、ミトコンドリアで作られた5-ALAと、外から取りこまれた5-ALAがうまく混ざり合い、再びミトコンドリア内でヘムを構成することできるのです。年齢とともに体内で生産できる量が減っていく5-ALAですが、外から効率よく補うことができるため、体内で5-ALA本来の力を発揮して有効に働いてくれます。