植物でも働く5-ALA!
新型コロナウイルス感染症への感染抑制効果について話題になっている5-ALAは、実は植物にも含まれていて、植物が生長していくためにとても大切な働きをしているのをご存知ですか?私たちの体の中で作られる5-ALAは、鉄やミネラルなどと合成を繰り返し、ヘムやビタミンB12など様々な物質に姿を変えていきます。
植物でも同じく植物の中で作られていて、植物の場合はミネラルの一種であるマグネシウムと組み合わさることで、植物の緑色の部分である葉緑素の原料になります。この葉緑素が増えると植物の光合成が盛んになり、丈夫で元気な植物になります。果実の場合は収量が増えて旨味も増えてくることから、肥料としても利用されています。
光合成が活発になるので、あまり日の当たらない場所でも植物がうまく育ちます。また、根からの栄養吸収を高めてくれるので、通常なら枯れてしまうほどの低温や塩分の多い場所でも、5-ALAを与えるとたくましく育ってくれるのです。また、植林の定着率が上がるため、砂漠の緑化にも貢献できる可能性があると注目されています。
除草剤の開発が発端?
今では、肥料として利用されていますが、開発当初は全く逆で、5-ALAを使った除草剤の開発が行われていました。除草剤は毒性が強いことから、安全な除草剤の候補として5-ALAが使われていたのですが、実験中に枯らすはずだった植物に5-ALAの配合量を間違えて与えたところ、思いの外、植物が元気よく生えてきたのです。この思わぬ実験の失敗がきっかけとなり、5-ALAを肥料へと応用する研究開発が始まり、今では多くの農家さんや家庭園芸で利用され、海外でも高く評価されています。日陰の多い庭やベランダで植物をうまく育ててみたいという方は、5-ALA配合の肥料をぜひ試してみてはいかがでしょう。