一言で伝えきれない5-ALAの魅力
ミネラルとの関係を紐解く

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ミネラルとの相性がとてもいい5-ALA!
5-ALAは、細胞の中のミトコンドリアという小器官でミネラルの一種である鉄(Fe)と結合し、ヘムという物質へ変化していきます。そこにグロビンという物質が結合することでヘモグロビンというタンパク質になります。このヘモグロビンは全身の組織へ酸素を運搬する働きがあり、ヘモグロビンの量が少なくなると疲れやすくなったり貧血を起こす原因となります。またヘムは、ヒトや動物などのエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)に変化します。
私達が生きていく上で必要なエネルギーはこのATPから得ていて、生命のエネルギー源として非常に重要な物質です。しかし5-ALAだけでは、ATPを作り出すことができません。5-ALAに鉄(Fe)が加えられることによって、ATPを作り出す能力を促進させることができるのです。また、5-ALAにミネラルの一種であるコバルトが加わるとビタミンB12が合成されます。ビタミンB12は造血のビタミンと呼ばれ、赤血球の合成を促します。
その他、亜鉛や銅といったミネラルとも5-ALAは相性がよく、5-ALAが効率よく働くためにはミネラルは欠かすことができない成分です。

ミネラルと相性のいい5-ALA

現代人はミネラル不足!?
5-ALAと相性の良いミネラルですが、ひと口にミネラルといってもたくさんの種類があります。その中で私たちの体に存在し、栄養素として欠かせないものとしてわかっているのが16種類のミネラルで、「主要ミネラル」と「微量ミネラル」に分類されています。「主要ミネラル」はカルシウム、リン、イオウ、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素の7種類、「微量ミネラル」は鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロムの9種類です。
これらのミネラルはそれぞれ働きが異なり、私たちの体の機能を正常に働かせることに貢献しています。しかし残念なことにミネラルは体の中では作り出すことができないため食事から補うしかありません。近年、摂取量が最も不足しているのがカルシウムで、同じようにカリウムや亜鉛も不足傾向にあります。
その理由は、食生活の変化です。コンビニのおにぎりや、ハンバーガー、ラーメンなどのファストフードなどが中心で極端に野菜が少ない食事をしていたり、乳製品や小魚などを取る機会が減ってきたことが挙げられます。一方で、摂り過ぎに注意する必要があるミネラルもあります。例えばリン。これはカルシウムと結合することで、歯や骨を作るもとになり、細胞のもとにもなる必要不可欠なミネラルですが、リンは加工食品やレトルト食品などの食品添加物に含まれていて、一緒にとったミネラルがリン酸と結合して体外に排出されてしまうのです。銅、鉄、亜鉛の微量ミネラルなどは吸収を阻害されてしまうので、無添加・無調整といった加工度の低い食品を多く食べたほうがいいようです。
体に必要とされるミネラルは積極的に補って、多くを必要としないミネラルは過剰な摂取をしないよう心がけましょう。

一言で伝えきれない5-ALAの魅力
医療分野での応用が広がる5-ALA

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がんの診断薬としても注目されている5-ALA
がんの治療法の一つに光線力学療法(photodynamictherapy:以下PDT)という治療法があります。これは、がん細胞のところに集まる性質を持っている成分(主に蛍光物質)を投与して、その部分に光を当てて、がん細胞を死滅させるという治療法です。正常な細胞への影響が少なく、体への負担が軽い治療法として知られています。この治療法は光を当てると、がん細胞の部分だけが光るという特徴があるのですが、その光っている部分だけを切除していく光線力学診断(PDD:Photodynamicdiagnosis)という診断があります。
現在は、光線力学療法では蛍光物質としてレザフィリンという薬剤が主流ですが、近年5-ALAを用いた光線力学診断も実施されるようになってきました。5-ALA(5-アミノレブリン酸)は体内に取り込まれると、正常な細胞では、ヘムという物質に代謝されていきます。しかし、がんの場合、5-ALAががん細胞に過剰に集まり、蛍光物質(PPⅨ)に変わるという現象がおきます。 

5-ALAを取り込んだ際の、正常細胞とガン細胞での代謝の違い

この蛍光物質に青い光と当てると、がん細胞の部分だけが赤く光るため、正常な細胞との区別がつきやすくなり、小さながん細胞の見落としが軽減されます。人の目では認識できないがん細胞が可視化できることで、より正確に摘出することができるのです。

膀胱がん手術画像(光線力学診断

すでに悪性神経膠腫(しんけいこうしゅ)や膀胱がんの手術時に使用する診断薬として保険適用となっています。また、胃がんの腹膜播種(ふくまくはしゅ)に対しても薬事承認に向けた取り組みが実施されています。元々5-ALAは、動植物の体内に含まれている天然のアミノ酸ですので、人体に負担を与えず安全性がとても高い成分であることから診断薬として注目されてきました。

2017年4月に、特殊な光源を用いた医療に関する診療や研究、教育を行う日本初の本格的な「光線医療センター」が高知大学医学部附属病院に設立されました。このセンターでも5-ALAと光を用いた脳腫瘍、皮膚表皮内がん、膀胱がん、前立腺がんにおける研究、開発が行われています。5-ALAを使った光線力学治療は、多くのがんに応用できる汎用性の高い最新医療技術であることから、がんに悩む数多くの患者さんにとって大きな福音をもたらすことが期待されています。