花々の蜜をひとつひとつ丁寧に集めて、自然の恵みたっぷりのハチミツを届けてくれるミツバチ。このミツバチが、2006年頃から世界中で突如として姿を消すという現象が起きています。ある日突然、巣箱に女王蜂と幼虫を残して、90%ものミツバチが消失してしまったという事例や、日本でも2010年に兵庫県の養蜂農家で数万匹のミツバチの部隊が120群まるごと失踪するなど、その現象は世界中で報告されています。
気候変動、ミツバチを取り巻く環境の変化、農薬の影響や寄生虫など、あらゆる要因が考えられるものの、原因はいまだに特定されず、このままミツバチが絶滅していくのではないかと訴える科学者もいます。
実は、ミツバチは人類にとってとても大切な役割を果たしているため、もし絶滅してしまったら私たちの生活は大きく変わるだろうといわれています。もしミツバチがこの世界からいなくなってしまったら、私たちの生活にはどのような影響があるのでしょうか。
多くの野菜やフルーツが育たなくなる
国連の報告によると、世界の食料の90%を占める100種の作物のうち、70種以上がミツバチの受粉によって生育しているといいます。そのため、ミツバチがいなくなってしまったら、スーパーに並ぶ野菜や果物の約半分はなくなってしまうのだそうです。
綿(コットン)が育たなくなる
ミツバチが受粉するのは食べものだけではありません。たとえば、衣類に欠かせない綿もミツバチによって受粉する綿花から採れるため、もしミツバチがいなくなったらコットン生地の衣類が世界から消えたら、合成繊維の衣類のみとなってしまうかもしれません。
食べ物の値段が高騰する
ミツバチがいなくると収穫できる作物が減ることで食料危機が起こり、食べものの値段が高騰するとも考えられています。実際に、2012年の冬、スコットランドでは3分の1以上のミツバチが壊滅状態となり、食料の値段が上がってしまい人々が影響を受けたそうです。
ここで取り上げた影響はほんの一部で、経済や人類や動物の栄養状態にも悪影響を及ぼすなど、その影響範囲は計り知れません。ミツバチの恩恵を受けているララ・ソロモンとしても、ミツバチがもたらしてくれているものの大切さをこれからも考えていけたらと思います。