涼しい服装
衣服を工夫して暑さを調整しましょう。麻や綿など通気性のよい生地を選んだり、インナーには吸水性や速乾性にすぐれた素材を選ぶとよいでしょう。最近では、ファン付きの服もよく見かけるようになりました。
日差しをよける
帽子や日傘などを上手く使って直射日光を避けましょう。また、できるだけ日陰を歩いたり、外での活動も日陰を利用して行うようにしましょう。
水分・塩分補給
喉が渇いていなくても、水分をこまめに摂るようにしましょう。塩分や糖分を含むスポーツドリンクなどは水分の吸収がスムーズにでき、汗で失われた塩分の補給にもつながります。外出時は、できるだけ常に水分を持ち歩くようにしましょう。
気温と湿度を気にかける
自分のいる環境の気温や湿度を気にかけるようにして、屋内の場合はエアコンや扇風機などを使って調整するようにしましょう。過度の節電をしたり、「このくらいなら大丈夫」と我慢したりするのはやめましょう。
「今年は例年よりも暑い夏になる」と気象予報士がニュースで話しているのを聞くたびに、「今年もまた言っているなぁ。」と感じていたのですが、実際に調べてみると日本の夏(6月〜8月)の平均気温は、この100年で約1.5℃も上昇し、驚くことに東京の平均気温は同じ期間で約3℃も上昇していることがわかりました。ちなみに同じ期間の世界の平均気温上昇は約1℃で、この短期間に日本の気温が急激に上がっていることが読み取れるでしょう。気温が上がることでの自然生態系をはじめ、農業や漁業など自然に依存する産業への影響は計り知れませんが、何より私たちの命が以前にも増して危機にさらされていることをもっと認識すべきかもしれません。総務省消防庁のデータによると、全国で6月から9月の間に熱中症で救急搬送された方は、2010年以降大きく増加し、特に記録的な猛暑となった2018年は9万2710人、次いで2019年が6万6869人、2020年が6万4869人と、近年さらに増加傾向にあります。患者数の増加に伴う死亡者数の増加も顕著で、今から30年前の1993年以前には年間平均67人だったのが、94年以降には平均492人と大幅に増加。2018年以上に亡くなられた方が多かった2010年には1745人の方が熱中症によって亡くなり、93年以前の年平均に比べると26倍にもなっていることがわかります。
発症時の状況を見てみると、65歳以上の高齢者は「在宅中」、7〜18歳は「運動中」、19〜39歳と40〜64歳では「作業中」に熱中症を発症する可能性が高くなっています。また、行動や温度・湿度などの環境だけでなく、身体の調子も熱中症に影響するので、寝不足や二日酔い、コロナやインフルエンザ、下痢など不調の時にはより注意が必要です。
参照:環境省「熱中症の現状と今後について」、国立環境研究所、総務省消防庁