5-ALA配合肥料で大きさも収穫率もアップ!
昨年2022年9月、横浜市青葉区にある社会福祉法人「グリーン」さんの畑の一部をお借りして5-ALA配合肥料を使った玉ねぎの栽培を行い、約10ヶ月間の栽培期間を経て、今年の6月上旬に収穫しました。植え付けた玉ねぎは200個ほどでしたが、5-ALA配合肥料を使っていない玉ねぎと比較しても、球の大きな玉ねぎを数多く収穫することができました。
通常グリーンさんの畑では、収穫率の目安として8割が良いとされていましたが、5-ALAを使用したことで植えつけられた後に何らかの原因で枯死した株(欠株)が少なくなり、収穫率は9割と非常に高いものとなりました。グリーンの担当者である長谷川雅一さんによると、育苗期間中に5-ALA配合肥料を8回ほど施肥し、定植後は5-ALA配合肥料を使用せずに栽培されたそうです。苗の段階では5-ALAを与えていない苗の方が大きく生長していたため、その後の生育には不安もありました。しかし、最終的には立派に成長し、予想を上回る結果となりました。通常、5-ALA配合肥料は葉が生えてから施肥し、光合成を促進して作物を元気に育てるために使用されますが、今回の玉ねぎ栽培では、苗の状態で施肥しただけでこれほど大きな生長が見られたことに、田中徹博士も驚かれました。農業に昔から伝わる言葉に「苗半作、八分作」という言葉がありますが、苗を育て上げるまでがとても重要な工程であり、最初の苗の出来によってその作物の生育の半分以上が決まってしまうと言われています。今回は、5-ALA配合肥料を施肥することによって立派な苗に育ち、その後の生育も順調であったと思われます。
実際に5-ALA配合肥料を使用されているリンゴ農家さんでは、リンゴのツルもとに亀裂が入ってしまう「ツル割れ」が少なくなったという報告があります。またガーベラ農家さんでは、茎が丈夫になって折れにくくなったり、トマト農家さんでは、トマトの糖度が上がったなどの声も寄せられています。5-ALAの助けで光合成が活発になり、元気な植物が育ってくれることは、多くの農家さんで実証されています。
① 光合成能力の向上
葉緑素が増えることで、生育促進・収量向上・品質向上・なり疲れの軽減などの効果を得られます。
② 耐ストレス能力の向上
植物にとって日照不足は深刻です。しかし、5-ALAを与えられた植物は低日照でも光合成が盛んになり、植物体内で糖をたくさん作ることができます。このため、低温下に耐えられるようになります。また、乾燥地や塩類 障害の土地にも効果的です。
③ 硝酸還元酵素の活性向上
植物は土壌の窒素を吸収し、アミノ酸やたんぱく質を合成します。土壌に含まれる窒素は主に硝酸体で存在し、植物は根から吸収した窒素を硝酸還元酵素と亜硝酸還元酵素という酵素を使ってアミノ酸やたんぱく質に還元します。これらの酵素の補酵素はヘムで、5-ALAを与えるとヘムが増え、硝酸還元酵素と亜硝酸還元酵素の活性が上がり、植物の生長が促進されます。また、窒素の河川への流出も抑制されます。
④ 苗の軟弱徒長抑制
育苗の際に、窒素肥料を多く与えすぎたり光量が不足すると植物がむやみに長く伸びてしまい、その結果、茎が弱くて細長い状態になる軟弱徒長になってしまいますが、これを抑制し、丈夫な苗を作ります。
⑤ 病気への耐性向上
植物が病原菌に侵されると葉や枝が枯れてきたり肉眼でも識別できる「病徴」という症状が出てきますが、5-ALAを施肥することで、病気に対する耐性が格段に高まります。
収穫された玉ねぎを乾燥させて…
グリーンさんではこちらの農場で収穫した作物を乾燥野菜に加工し、地元でパスタセットなどにして、販売しています。今回は、収穫した玉ねぎを乾燥させ、玉ねぎを使った(アラ玉パスタ)のセットを作る予定です。完成は秋頃を予定しており、多くの方に食べていただけるよう、何らかの形で告知する予定です。
協力:社会福祉法人グリーン
https://green1993.or.jp/