みつばちライフ
– 世界最古のはちみつ酒「ミード」-

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ミードというはちみつで作られたお酒をご存知ですか?
ミードの歴史はワインやビールよりも古く、その起源は1万年以上前にも遡り、人類の歴史の中で最古のお酒の1つといわれています。はちみつに水と酵母を加えて発酵させたミードと人類との出会いには、こんな逸話が残されています。
―ある日森の中で、クマに襲われたミツバチの巣に雨水が溜まり、はちみつと混ざりました。そして空中の酵母菌が混ざり発酵し、偶然ミードができあがりました。それをたまたま喉を渇かせた狩人が見つけて飲みました。(※諸説あり)
いろいろな偶然が重なって、自然の中で生まれたお酒だったのですね。

世界最古のはちみつ酒 ミード

“Medicine”や”Honeymoon”の語源!?
古代ギリシャでは神々のお酒として崇められ、ローマの英雄ジュリアス・シーザーも愛飲したといわれているミード。有名な英国のエリザベス女王Ⅰ世は、ハーブやスパイスを漬込んで醸造した「メセグリン(Metheglin)」というはちみつ酒を愛飲したといわれています。ハーブとアルコールで血行がよくなり、身体が温まりよく眠れて体力回復できることから、公務で忙しいエリザベス女王の健康を支えました。
「薬(Medicine)」の語源にもなっているといいます。
また、古代から中世のヨーロッパで特にゲルマン民族において、新婚直後の新婦は住居から外出せずに1ヶ月間ミードを作り、新郎に飲ませて子作りに励んだそうです。これは、はちみつに滋養強壮作用があるとされたことと、ミツバチの多産にあやかるために行われた風習でした。
ここから「蜂蜜の月」=「蜜月」=「ハニームーン(Honeymoon)」という言葉が生まれました。

日本でも作られているミード
ミードは海外産のイメージが強く、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、実は日本でも作られています。基本的にワインの酵母を使うことが多いですが、ある日本のミーダリー(ミードの醸造所)では日本酒の酵母を使って発酵させているものもあるそう。また、はちみつも国産のものにこだわっているものが多いので気になる方はぜひ調べてみてはいかがでしょうか。日本食に合うように作られているものもあるそうですよ。

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– 天然の美容液「ハチミツ」を 暮らしに取り入れよう-

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ミツバチたちが小さな体で飛び回り集めたハチミツ。植物の恵みがたっぷりと詰まったハチミツの栄養価はとても高く、健康にも美容にも良いとされています。絶世の美女として名高いクレオパトラも美容ケアとしてハチミツを日常的に取り入れていたといい、日本でも平安時代の貴族たちが美しさをを手に入れるためにハチミツは欠かせないものでした。古代から人々の暮らしに取り入れられてきたハチミツに含まれる栄養や効果についてご紹介します。

天然の美容液 ハチミツ

ハチミツに含まれる栄養素

  • ビタミンB2 … お肌の調子を整えてくれる
  • ビタミンC … コラーゲンの生成に欠かせない
  • 葉酸 … 血を造る水溶性ビタミン
  • コリン … 血圧を下げる
  • カルシウム … 骨を作る など

ここでは私たちの身体に必要とされる栄養素の一部を挙げましたが、ミネラル、アミノ酸、酵素などなんと150類以上の栄養素が含まれています。また、ハチミツに含まれるビタミンの90%以上が活性型で、不活性型のビタミン系サプリメントを大量に服用するよりもハチミツを摂取したほうが効果が高いことがわかっています。はちみつは高カロリーなイメージがありますが、100gで294kcalと、上白糖が100gで384kcalなのに比べてカロリーも控えめなので、ダイエットにも向いている食材といえるでしょう。

ハチミツの効果効能

  • 疲労回復
  • 殺菌作用
  • 保湿効果
  • 整腸作用
  • 高血圧予防
  • 二日酔いの改善
  • 花粉症予防
  • アンチエイジング効果 など

効果効能も幅広く、まさに天然の美容液であり万能薬!健やかな毎日をサポートをしてくれるハチミツを食事や美容ケアに上手に取り入れてみてください。

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– 近年増えている「週末養蜂家」-

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近年、ミツバチの大量死や環境保護問題への関心の高まりや、人気テレビ番組でミツバチの飼育の方法が紹介されたことをきっかけに、趣味としての養蜂を始める「週末養蜂家」が増えているといいます。特に、費用がかからず、高い専門知識などが必要なく誰でも楽しめる野生のニホンミツバチを飼育する人が多いそうです。興味深いのが、この養蜂は必ずしもはちみつを収穫するための目的で行っている人だけではないということ。せっせと働くニホンミツバチの姿を見て癒やされたり、地域の人とのつながりなど、はちみつだけでなく多くのものを得られるということも人気の理由のようです。

ニホンミツバチの養蜂は、飼育するといっても、野生のニホンミツバチが勝手に巣箱の中に巣を作っているという状態なので、基本的には世話が必要なく手間がかかりません。週末養蜂とはいっても、実際には1ヶ月に1 回、数ヶ月に1 回の世話でも問題なく、ミツバチは勝手にはちみつを集めてくれるといいます。

巣箱とみつばち

ニホンミツバチのはちみつはとても希少だということをご存知ですか?日本で流通しているはちみつ全体量のうち7 % が日本産で、そのうちの1%程度がニホンミツバチのはちみつというとその希少さがわかるのではないでしょうか。そんな希少なはちみつを味わえるというのもやはり週末養蜂の醍醐味といえるでしょう。採れたはちみつをプレゼントしたり、地元のファーマーズマーケットなどで販売することで、はちみつを通じた人のつながりも魅力的ですね。

養蜂というと様々な道具が必要ではないかと思われがちですが、野生のニホンミツバチを飼育するだけの養蜂であれば、用意するのは巣箱とミツバチたちを巣箱に誘引するための「待ち箱ルアー」という小道具のみ。あとはミツバチたちが来るのを待つのみといいますが、この捕獲が簡単ではないそう。捕獲の季節は春先だけなので、入念な準備と運が必要ということです。とはいえ、ミツバチたちが巣箱に入ってくれた時の喜びを想像してみると、春になったら週末養蜂家に挑戦してみたくなってしまったのは私だけでしょうか。

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ミツバチの住処

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あんなに暑かった夏が嘘だったかのように、屋外で過ごすのが気持ちの良い季節を迎えました。これは私たち人間だけにいえることではなく、きっとミツバチたちもそう感じていることでしょう。我が家の庭でも、夏の間には見かけなくなっていたミツバチたちが、この穏やかな季節を迎えてからふたたび遊びに来てくれるようになりました。
そんなミツバチたちを見つめていて、ふと、彼らがどこから来ているのかと疑問が生まれました。そして以前、近所にある大きな木の幹の小さな割れ目にミツバチたちが出入りしているのを見かけたことを思い出しました。シマシマ模様のついた小さな体を寄せ合って、順番に出入りしていたのです。そして、そのすぐそばには「ニホンミツバチが暮らしています。刺激しないでください。」という手書きの看板が掲げられていました。近所の方がミツバチの暮らしを守るために書いたのでしょう。残念ながら、そのニホンミツバチたちはいつのまにかすべていなくなってしまったのですが、自然に生息しているミツバチの住処をこの時初めて知りました。
ミツバチは次のような場所に自然と巣を作り、蜜を貯めているようです。

  • 目立つ大きな木の洞(うろ)
  • 民家や小屋などの屋根裏、軒下、壁の間、床下など、直射日光の当たらない少し暗めの場所

ミツバチの住処

普段はなかなか気付かないものの、実は私たちのすぐそばでミツバチたちも暮らしています。近年積極的に行われている都市部でのミツバチプロジェクトに関してある建設会社が発表したレポート(※)によると、ニホンミツバチが2km、セイヨウミツバチが4km程度の範囲を飛び回り、蜜を集めることが報告されています。民家の庭先にある木々やプランター、街路樹や公園などの植物の蜜を集め、受粉という重要な役割を担っているのです。そのおかげで庭の木が実をつけたり、畑の野菜を収穫することができたりと、ミツバチが私たちの暮らしをより豊かなものにしてくれているといっても過言ではありません。そんなミツバチの暮らしを守り、うまく共存していきたいものですね。

※参考:ミツバチプロジェクトによる都市域の生物多様性への取組み(鹿島建設株式会社 環境本部)

もしこの世界からミツバチが消えてしまったら

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花々の蜜をひとつひとつ丁寧に集めて、自然の恵みたっぷりのハチミツを届けてくれるミツバチ。このミツバチが、2006年頃から世界中で突如として姿を消すという現象が起きています。ある日突然、巣箱に女王蜂と幼虫を残して、90%ものミツバチが消失してしまったという事例や、日本でも2010年に兵庫県の養蜂農家で数万匹のミツバチの部隊が120群まるごと失踪するなど、その現象は世界中で報告されています。
気候変動、ミツバチを取り巻く環境の変化、農薬の影響や寄生虫など、あらゆる要因が考えられるものの、原因はいまだに特定されず、このままミツバチが絶滅していくのではないかと訴える科学者もいます。

実は、ミツバチは人類にとってとても大切な役割を果たしているため、もし絶滅してしまったら私たちの生活は大きく変わるだろうといわれています。もしミツバチがこの世界からいなくなってしまったら、私たちの生活にはどのような影響があるのでしょうか。

多くの野菜やフルーツが育たなくなる
国連の報告によると、世界の食料の90%を占める100種の作物のうち、70種以上がミツバチの受粉によって生育しているといいます。そのため、ミツバチがいなくなってしまったら、スーパーに並ぶ野菜や果物の約半分はなくなってしまうのだそうです。

綿(コットン)が育たなくなる
ミツバチが受粉するのは食べものだけではありません。たとえば、衣類に欠かせない綿もミツバチによって受粉する綿花から採れるため、もしミツバチがいなくなったらコットン生地の衣類が世界から消えたら、合成繊維の衣類のみとなってしまうかもしれません。

食べ物の値段が高騰する
ミツバチがいなくると収穫できる作物が減ることで食料危機が起こり、食べものの値段が高騰するとも考えられています。実際に、2012年の冬、スコットランドでは3分の1以上のミツバチが壊滅状態となり、食料の値段が上がってしまい人々が影響を受けたそうです。

もしこの世界からミツバチが消えてしまったら

ここで取り上げた影響はほんの一部で、経済や人類や動物の栄養状態にも悪影響を及ぼすなど、その影響範囲は計り知れません。ミツバチの恩恵を受けているララ・ソロモンとしても、ミツバチがもたらしてくれているものの大切さをこれからも考えていけたらと思います。