加齢にともなう体の変化

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年齢を重ねるとともに「体力が落ちてきた」「体型が変化してきた」など、身体の機能や外見の変化を皆さんもなんとなく感じているのではないでしょうか。以前と同じ生活をしていてもなんだか違う、そう感じるのは加齢にともなう基礎代謝量の低下が関係している可能性があります。

基礎代謝とは、呼吸をしたり体温を保ったり、心臓を動かしたり、生命を維持するために必要なエネルギーのことで、運動などをしなくても(ソファに寝そべっているだけでも)使い続けているエネルギーのことです。人間が24時間に消費するエネルギーの約60%を占め、その他、身体活動量(約30%)、食事誘発性熱産生(約10%)で総エネルギー消費量は構成されています。この約6割を占める基礎代謝量が加齢とともに減少すると、総エネルギー消費量全体の減少に大きく影響するため、消費エネルギーが摂取エネルギーを下回ることが増え、「年齢を重ねると太りやすくなる」といわれるというわけです。この基礎代謝のピークは、男性は18歳くらい、女性は15歳くらいをピークにその後は年齢とともに低下し、男性は40歳代、女性は50歳代になると急激に減少するともいわれています。

それではどのようにしたら加齢にともなって低下する基礎代謝を上げて、エネルギー消費量の多いからだを作ることができるのでしょうか? 今日からできる方法を紹介します。

保湿された肌

1.定期的に運動する
基礎代謝を上げるには、筋トレや有酸素運動、ストレッチなどを定期的に取り入れてみましょう。無理することなくできるものからでもいいので、筋トレなら1日10〜15回を1〜3セット、有酸素運動なら1日10〜20分程度の軽いジョギングやウォーキングから始めるのがおすすめです。

2.水を飲む
常温の水や白湯を飲むことでからだが温まり、代謝アップが期待できます。また、水を飲むことで血液が筋肉へしっかりと送り込まれ、効率よく筋肉量を増やすのも助けてくれます。

3.からだを温める食べ物を積極的に摂取する
からだが冷えると、臓器の働きが鈍くなり、代謝が低下します。ショウガ、唐辛子、ネギ、ニンニク、らっきょう、カボチャ、ゴマなどにはからだを温めてくれる成分が含まれているので、意識的に摂り入れていきたいですね。

4.腸内環境を整える
エネルギー代謝には、腸内環境が影響を与えていることが明らかになってきています。ヨーグルトや納豆、漬物などに含まれる乳酸菌や、食物繊維を豊富に含む食材を積極的に食べて腸内環境を整えましょう。

年齢を重ねて少しでもからだのことが気になっている方は、無理なく始められそうなことから取り入れてみてはいかがでしょうか。

5-ALAサプリは、何で飲むのがいいの?
避けたほうがいい飲み物は?

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田中博士の写真入りのタイトル画像

Q 5-ALAのサプリメントは、やはり水で飲むのがいいのでしょうか。

A 5-ALAは水溶性が高く、酸性—中性域ではとても安定していますので、水でなくてもジュースなどで飲んでいただくことができます。また、カプセルから中身を取り出して、ヨーグルト等と混ぜて飲んでいただいても問題ありません。ただし、配合している鉄分がカテキンと反応する恐れがあるので、お茶での服用は避けていただければと思います。

Q 今回、田中先生のお答えをうかがってカテキンについて調べてみたのですが、緑茶だけでなく、紅茶やウーロン茶にも含まれているんですね。今までほとんど何かしらのお茶で飲んでいたので、今後は気を付けようと思います。カテキンが含まれていない麦茶であれば問題ないですか?

A はい、麦茶は大丈夫です。緑茶、紅茶、ウーロン茶は同じ茶葉から作られていて、発酵度合いが異なるだけですので、いずれもカテキンを含んでいます。カテキン自体は身体に良いものなので、お茶は楽しみつつ、5-ALAサプリメントを飲む時だけは気をつけていただけたらと思います。

田中徹博士
世界で初めて5-ALAの大量生産を成功させた、ネオファーマジャパン株式会社のチーフサイエンティスト。
サステナブル・クルー株式会社のアドバイザーも務める。

喉の不調を感じたら

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なんとなく喉の調子が悪いと感じる時ってありますよね。そんな時にも、ハチミツは大活躍してくれます。ハチミツには、殺菌作用や抗菌効果があるので、喉の細菌の増殖を抑えるといわれます。また、水分量が約20%と低く、周囲から水分を集めて潤いを閉じ込める保湿効果や、粘度が高いので喉の粘膜の保護効果も期待できます。ちょっとした喉の不調を感じた時に試したい、ハチミツを使ったレシピをご紹介します。

材料のイメージ写真

ハチミツレモン

レモンには、ビタミンCが豊富に含まれ、ビタミンCには風邪などの病気への抵抗力を高める働きがあり、免疫機能を高める効果も期待できます。材料を混ぜ合わせるだけで簡単に作ることができます。子どもでも抵抗なく飲めるのではないでしょうか。

材料
お湯 200ml ・ ハチミツ 大さじ2 ・ レモン 1/4個

ハチミツ生姜ティ

生の生姜に含まれるジンゲロールには、殺菌効果や抗炎症作用、鎮痛作用があり、身体を温めてくれる効果もあります。ハチミツとおろし生姜をカップに入れて、お湯を注いでよく混ぜます。

材料
お湯 150ml ・ ハチミツ 大さじ1 ・ おろし生姜 小さじ2

ハチミツ大根

大根に含まれるイソチオシアネートは、抗菌作用や消炎作用があり、喉の炎症を抑える効果が期待できます。サイコロ状に切った大根とハチミツを清潔な容器に入れ、3時間ほど漬けます。このシロップを水やお湯で割って飲みます。

材料
大根 1/4本 ・ ハチミツ 大根が半分浸るくらい

ハチミツ生姜アップルティー

リンゴには喉や肺など呼吸器を潤す効果があるので、喉の痛みや軽い咳が出る時にもおすすめです。リンゴと生姜は皮をむいてすりおろして小鍋に入れ、水とハチミツを加え、中火で沸騰したら火を弱めて一煮立ちさせます。

材料
リンゴ 1/2個 ・ 生姜 一かけ ・ 水 200ml ・ ハチミツ 大さじ1/2

これから気温や湿度が低下することで、喉の不調を感じやすくなりますので、違和感を感じた時にはぜひ試してみてください。

オートファジーと5-ALAについて

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自分の細胞を食べるオートファジー?とは!

「オートファジー」のことをご存知ですか?オートファジーとは、日本語で「自食作用」という意味ですが、自ら自分の体を食べるわけではなく、正確には、細胞が自らの一部を分解して、新しい部品として再利用する仕組みのことです。私たちの体の細胞は、いつまでも元気なわけではなく、いずれ衰えてきます。しかし、このオートファジーの働きで細胞内の古くなった部品を分解し、新陳代謝によって新しい細胞へと生まれ変わらせる働きをします。また、細胞の中に現れる有害な物質を除去してくれます。

オートファジーの働きのイメージ図

わたしたちの細胞の中には、ミトコンドリアを始めとする細胞小器官が存在しますが、これらすべてがオートファジーの対象となり分解され、新たな部品に置き換えられます。特にミトコンドリアは、発電所の役割を担っていて、このミトコンドリアが壊れると「活性酸素」が漏れ出して細胞を傷つけたり殺したりします。ここにオートファジーの仕組みが働くことで、壊れたミトコンドリアを狙い撃ちして活性酸素の発生を抑えてくれます。また、細胞内に侵入した病原体もやっつけてくれるので免疫機能に対してもとても重要な役割を果たしています。

オートファジーは免疫力をアップさせて健康寿命を延ばすなど、体内の組織を健康に保つために重要な働きをしてくれますが、十分に食べ物を食べた状態ではあまり機能してくれません。元々オートファジーは、細胞が強いストレスを受けた際に生き残れるように体内に組み込まれたシステムで、細胞が飢餓状態になったり低酸素状態になったときにこそ、働きが活発化します。つまり、空腹の時間が長く続くとオートファジーの活動が活発になり、体の中にあるものを利用して新たにタンパク質を作り出します。満腹の状態ではオートファジーがあまり機能せず、空腹の時によく働くということで、昔から言われている「腹八分ぐらいで抑えるのが体にいい。」というのは理にかなっていますね。

食事、運動、睡眠でオートファジーを維持

オートファジーの機能を高めるためには、食事と睡眠が大切です。満腹状態では血中にアミノ酸がたくさんあり、オートファジーが抑えられるので、夕食を食べてすぐに寝るとオートファジーの活性を妨げます。夕食を食べてから寝るまでは時間を空けて、寝ている間に空腹な状態を作ることが重要です。また、よく眠り適度な運動を心がけ、脂っこい食事を控えて腹八分目程度で抑えることも、オートファジーの機能を維持させてくれます。

5-ALAもオートファジーに一役かっている!

5-ALAは体内で作られるアミノ酸の一種ですが、いくつかのアミノ酸自体がオートファジーを抑制的に制御することは古くから知られいます。5-ALAもそのうちの1つで、高知大学の研究によるとオートファジーを誘導し、ミトコンドリアの保護作用のある安全な成分として論文発表されています。

オートファジーの仕組みを解明した功績でノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典栄誉教授の研究ですが、それ以外にもまだまだ解明できていないことがたくさんあります。アメリカでは、オートファジーの仕組みを病気の治療に役立てようという応用研究が進んでいたり、まだまだ可能性が広がっていく分野なのです。

5-ALA研究情報

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5-ALA研究情報のタイトルのイラスト

現在、注目度が高まっている5-ALAは、あらゆる大学で研究が進められています。すでに研究を終えたものもありますが、今まさに研究が進められているものもあります。いくつか注目の研究について紹介しますので、興味がある方は、URLをクリックして各大学のサイトへアクセスしてみてください。

信州大学 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所
「5-アミノレブリン酸と鉄の摂取による運動効率の上昇効果に関する研究」
https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/ibs/topics/amhp/5-journal-of-applied-physiology.html

広島大学 大学院医系科学研究科「疲労感軽減に関する研究」
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/60472

長崎大学熱帯医学研究所 「新型コロナウイルス感染症に関する研究」
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science266.html

慶應義塾大学大学院医学研究科 「サルコペニア治療に関する研究」
https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO70001001-20174781-0002

東京大学ALA先端医療学社会連携研究部門「難治性疾患に対する新規診断法、治療法に関する研究」
https://www.iqb.u-tokyo.ac.jp/lab/tani/