新型コロナウィルスの増殖を抑制する5‒ALA

Pocket

新型コロナウィルスの増殖を抑制する5‒ALA

ある一定以上の濃度の5-ALA(5-アミノレブリン酸)を服用すると、新型コロナウィルスの増殖を抑えることが試験管の中の実験で確認されたことから、2021年2月から5‒ALA(5-アミノレブリン酸)を用いた、新型コロナに対する特定臨床研究が始まりました。

新型コロナウィルスの表面には、特徴的な突起が付いています。この突起の見た目が王冠に似ていることから、ラテン語で王冠を意味する『corona(コロナ)』の名前がつけらたそうです。この王冠の突起の部分は「スパイクタンパク」と呼ばれ、突起を使って人の細胞の表面にある受容体(ACE2)にくっついて細胞内に侵入し、感染がはじまります。

なぜ5‒ALAが新型コロナウィルスの増殖を抑制するのか?

5-ALA自体は、もともと体内で作られるアミノ酸の一種ですが、5-ALAを体外から投与すると体内で「PP9(プロトポルフィリンⅨ)」という化合物が作られます。このPP9が、侵入してきたスパイクタンパクとくっつき、人の受容体と結合する前に侵入を防いでくれるということが分かってきました。感染を抑えることで、症状が軽くなったり、重症化するのを防ぐ効果も期待されています。

細胞へ侵入しようとする新型コロナウィルスのイメージ

「マラリア薬の研究」がヒントに!

世界三大感染症のひとつである「マラリア」の病原体の遺伝子配列の中に「G4構造」と呼ばれている部分があります。日本でマラリアの治療薬の研究を行っている長崎大学熱帯医学グローバルヘルス研究科の北潔教授のチームは、5-ALAによるマラリアへの治療効果をこれまで確認してきました。実は、この「G4構造」は、新型コロナウイルスの病原体も持っている配列で、そこにマラリアとの共通点を見出した北潔教授は、5-ALAの結合がコロナ感染を抑制している可能性に辿り着き、増殖を抑えるという実験結果を導き出しました。北教授は、「もともと我々の体内にあるアミノ酸で、安全性も高く、室温でも安定していて保存性も高い。ワクチンのようにフリーザーを必要としないので、非の打ち所がない、非常に優れた成分である」と話しています。

ウィルス増殖を抑制する5‒ALAの本当の姿

5-ALAは、36億年前の生命の誕生にも関わったと考えられているアミノ酸で、「命の根源物質」といわれています。人の体内のミトコンドリアという所で作られますが、加齢と共に体内で作り出す力が低下していきます。5-ALAを作る力が落ちてくると、酸素を使う力が弱まり、動いたりするためのエネルギーも作ることができず、体温が下がり、免疫力が落ちていきます。この5-ALAが知られるようになったのは今から約10年ほど前になります。人工的に安定して作れることがわかり、サプリメントや化粧品が登場してきました。また、医療現場ではがんの診断薬や、海外では皮膚がんの治療薬としても活用されています。5-ALAが新型コロナウィルスの増殖を抑制するということが様々なメディアなどで取り上げられ一躍有名になりましたが、多くの苦しむ人の元へ、少しでも早く届けられるようにならなければなりません。

※参照
長崎大学HPより
http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/info/science/science225.html

5-ALAでウィルス抑制へ

Pocket

5‒ALAを用いた特定臨床研究が開始
昨春から猛威を振るってきた新型コロナウイルス感染症に対する治療薬・ワクチンの開発が各地で進んできましたが、5-ALA(5-アミノレブリン酸)を用いた新型コロナウイルス感染症患者を対象とした特定臨床研究が始まりました。この臨床研究の前に実施された長崎大学の5-ALAによる感染試験では、試験管内での細胞にある一定量以上の5-ALAを加えると、ウイルスの増殖を防ぐ効果があることが確認されています。

なぜ5‒ALAが特定臨床研究?
元々5-ALAは、抗体(※1)の機能を向上させる機能を備えていることから、長崎大学の熱帯医学・グローバルヘルス研究科で5‒ALAを使ったマラリアの治療薬の研究が進められていました。その研究過程で、様々な感染症への治療効果が期待できるのではないかということから、新型コロナウイルスへの研究が着手されました。長崎大学大学院の北潔教授によると、「ウィルスが細胞に侵入するところをまずは阻害する細胞に、たとえ入ったとしてもスパイクたんぱく質(※2)に結合して、細胞に入ったウイルスの増殖を抑制することで、新型コロナの予防もでき、治療もできる可能性がある。5-ALAにはそういったメリットがある。」と説明しています。今回始まった特定臨床研究で、一定の効果を確認した段階で治験へと進み、製薬の認可を目指しています。

※1 抗体は、異物を認識して結合する働きと、免疫を担う細胞を活性化させて異物を排除する働きをします。
※2 スパイクタンパク質とは、新型コロナウイルスの表面にあるタンパク質で、ヒト細胞の表面に存在するタンパク質の機能を変化させることにより感染を促進させます。

養豚の様子のイメージ写真

アフリカ豚熱の感染予防にも5-ALAを利用
アフリカ豚熱は、豚やイノシシに感染する致死率の高い伝染病で、日本ではまだ確認されていませんが、アフリカをはじめ、ロシアやアジアで発生しています。現在、この病気に対する有効な治療法やワクチンはないのですが、アフリカ豚熱の蔓延を防ぐため、5-ALAを飼料に配合した研究がベトナムで始まっています。5-ALAが防御機能の一番最上流のところに働きかけるため、下流にある様々な防御機能が一緒に動き出すことで、感染防御の効果が示されています。

5-ALAは、細胞内で作られる、天然に存在するアミノ酸の一種なので、健康食品や化粧品の原料としても安全性が高く、ワクチンのように温度管理が難しいものではありません。製薬としての認可が下りると、日本に限らず、途上国などワクチンを届けづらいような地域でも供給できる可能性が高くなってきます。新型コロナウイルス感染症に対する様々な治療薬が開発されている中で、5-ALAが持っている可能性にもますます期待が高まっています。

発酵食品を見直そう

Pocket

そもそも「発酵」と「腐敗」は何が違うの?
「発酵」と「腐敗」、実はどちらも微生物の力によって物質が変化することを指します。発酵は、味噌や納豆、ヨーグルトなど身近な食品がありますが、人間にとって有効な微生物(菌類)が働き、物質を分解させることを指します。一方、腐敗は、魚や肉などが腐るとアンモニア臭が出てきて、食べられない状態になることを指します。つまり、人間にとって有益なものであれば発酵、有害なものであれば腐敗というように、人間の視点で判別されたものなのです。

【発酵】
微生物が人間に有益な物質をつくりだす。
【腐敗】
微生物が人間に有害な物質をつくりだす。

日本は発酵菌の宝庫
日本は昔から稲作文化が盛んで、米から味噌や醤油、酢や甘酒など数多くの発酵食品が生まれてきました。これらの日本に昔からある発酵食品は「麹(こうじ)菌」がないと作ることができません。麹は「穀物に生えるカビ」とも言え、昔はこの麹の種を作って販売する「種麹屋」があり、様々な種類の麹がありました。暖かくて湿度の高い日本の気候は、カビや菌が生えやすく、それをうまく活用して発酵食品を生み出してきたのです。

免疫力を高める発酵食品
発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。善玉菌の力で発酵すると栄養価が高くなり、微生物がビタミンやアミノ酸を作り出し、滋養のある食品にしてくれます。味噌や醤油に存在している植物性の乳酸菌は、悪玉菌の繁殖を抑えて善玉菌を増やして腸内環境を整えることで、腸内の免疫細胞を活性化させる働きがあります。一方でチーズやヨーグルトなどに存在している動物性の乳酸菌は、善玉菌のエサとなって植物性乳酸菌が腸内に届くように促す役割をします。

発酵食品で善玉菌が増えていく

最近の研究では、発酵食品には免疫力を活性化する効果があることが明らかになりました。免疫細胞はほとんど大腸で作られていますが、食べた発酵食品が大腸を通過するときに菌が大腸を刺激して、正常細胞を免疫細胞に変えることがわかってきました。微生物の世界では、ある菌が一定範囲広がってくると、他の菌の侵入を許さないという性質を持っています。
その性質を利用すると体内に侵入してくる他のウィルスの侵入を食止めて感染症を予防し、病気になりにくい体を作ることが可能です。

発酵によって製造される5-ALA
明治以降、日本古来の発酵技術から全く新しい発酵技術を海外から導入することで飛躍的に発酵技術が進歩し、日本は世界一の発酵工業国となりました。この技術革新の第一陣は、第二次世界大戦中に米英の両軍が軍事目的で開発したペニシリン(抗生物質)の生産技術です。このペニシリンをはじめとした抗生物質や、アミノ酸、ビタミンなどの医薬品は、微生物を用いた発酵法によって生産されるようになりました。
5-ALAもこれら医薬品と同じく、光合成細菌による発酵法を用いて製造されています。光合成細菌の原料となるグルタミン酸ナトリウム、酵母エキス、グルコース、ビタミン、ミネラルを特殊な製法で培養させ、菌が増えたところで、5-ALAを生み出すために必要なグリシンとグルコースを混ぜて発酵させて製造されています。因みに発酵食品の中でもとても栄養価が高く、「飲む点滴」といわれる甘酒にも5-ALAは多く含まれています。

やっぱりミトコンドリアは凄かった!?

Pocket

ミトコンドリアの祖先は太古のバクテリア!?

私たちが住む地球が誕生したのは今から約45億年前。そして約38億年前に最初の生命が海の中で誕生しました。地上では、まだ火山活動が活発で、酸素を主体とする大気に覆われ、陸地で生命が存在するにはとても厳しい環境でした。初期の生物はすべて単細胞で、海の中で生まれ酸素を使わずに生息していました。そんな中、15億年前には、いくつかのたくましい種のバクテリアが酸素を使ってエネルギーを作る方法を身につけながら、厳しい環境に適応するように進化していきました。この太古の昔からあるバクテリアは、今の私たちの体の中に存在して、細胞の働きに必要なエネルギー源であるATPを生成し続けています。
それが今の「ミトコンドリア」なのです。

ミトコンドリアの働き

ミトコンドリアはエネルギーを生み出すだけじゃない!

ミトコンドリアはATPを生み出すことから、細胞内の発電所に例えられますが、それ以外にも重要な役割を担っています。細胞間のシグナルを送信したり、細胞分化を管理していて、体内の重要なシステムを司っています。しかし、30歳から70歳の間に平均的なミトコンドリアの効率は、ほぼ50%低下するといわれています。機能が低下したミトコンドリアが増えるとどうなるのか?それは、外から取り込んだ食べ物を効率よくエネルギーに変えられなくなるため、中年太りや糖尿病などの生活習慣病になりやすくなったり、活性酸素を出す量が増えて癌やアルツハイマーなどへのリスクが高まってきます。

ミトコンドリアを強化するには5-ALAも大事!

ミトコンドリアは、カロリー制限をしたり、空腹を感じさせたりすると増えるようになります。つまり、食事の際に過度な栄養を摂らないようにしたり、空腹の時間を作ることでミトコンドリアが増えて強化されます。栄養素としては、イカやタコ、貝類などに多く含まれる「タウリン」や、ウナギや豚肉などに含まれる「ビタミンB群」、レバーなどに多く含まれる「鉄」などがATPを作り出すのを助ける働きをします。5-ALAもミトコンドリアの中に存在するアミノ酸で、ミトコンドリアの機能を活性化させ、ATPの生産効率を高めてくれます。運動は、負荷のかかる運動と軽めの運動を交互に繰り返すインターバル運動や、HIIT(High-Intensity Interva lTraining)などが効果的です。負荷のかかるきつめの運動を行うとATPが不足し、不足したATPを補うように酵素のスイッチがONになり、より多くのATPを作ろうとミトコンドリアが分裂をはじめて増えてくるという仕組みです。食事や運動習慣を少し見直すことでミトコンドリアを強化できます。ぜひ試してみてください。

いいことづくめのインターバル速歩と5- ALA

Pocket

炎症は病気と関係がある?「急性炎症」「慢性炎症」の2つの炎症
風邪を引いた時に熱が出たりしますが、これは外部から細菌やウイルスが体内に侵入し、それをやっつけようと正常に免疫機能が働くため、熱を出して炎症反応を起こします。これを「急性炎症」といいます。一方で、外部から異物が侵入しなくても、老化や体力が落ちることで基礎代謝が下がり炎症を起こす場合があります。これが「慢性炎症」です。「慢性炎症」は炎症のレベルが低いため熱がでたりするのは稀で、ほとんどの人は病気になるまで気がつきにくく、糖尿病や高血圧症、動脈硬化、がんなどにかかる可能性が高くなります。

「慢性炎症」はなぜ起こるのか?
「慢性炎症」が起きる原因の一つとして、加齢に伴って細胞の中にあるミトコンドリアの機能が劣化してくることが考えられています。ミトコンドリアは私たちが動くためのエネルギーを生み出すところですが、ミトコンドリアが古くなってくると機能が低下し、いくら食べ物を取り入れてもそれを動くためのエネルギーに変えてくれません。さらには活性酸素を出し、それが正常な細胞や組織を傷つけて、それに刺激されて炎症反応が起こると言われています。

「慢性炎症」を起こさせないためのおすすめの運動「インターバル速歩」
ストレス解消にもなって気軽にできる「インターバル速歩トレーニング」を紹介しましょう。これは元信州大学教授の能勢博先生が提唱している運動法です。先生の著書「ウォーキングの科学」によると、「生活習慣病を改善する」「睡眠の質を改善する」「認知機能を改善する」など、様々な効果を得られるとのことですのでぜひ実践してみてください。

  1. まず、ウォーキングの前に下半身を中心にしたカラダの筋肉を伸ばすストレッチを行います。
  2. 最初は、速歩から。背筋を伸ばした姿勢を保ちながら、目線は25mほど前を見ます。できるだけ大股でかかとから着地するようにして歩きます。
  3. 速歩のスピードは、普段の歩き方より「ややきつい」と感じるぐらいのスピードです。5分ぐらい歩いている息がはずんでくるぐらいの速度です。
  4. 速歩の時間は3分間が基準です。
  5. 速歩の後に3分間のゆっくり歩きを挟みます。どちらも正確に3分というわけではなく目安です。
  6. この速歩3分とゆっくり歩き3分のセットを1日に5セット行います。

[合計30分 速歩15分 ゆっくり歩き15分]を週4日以上を5ヶ月行えば先程のような様々な効果が出てきます。

インターバル速歩のイメージ

インターバル速歩と5-ALAの関連
5-ALAは血糖値上昇の抑制や、脂肪のエネルギー変換、疲労回復などの働きをすることから「ウォーキングの科学」でインターバル速歩と5-ALAを摂取した実験についても触れられています。『5-ALAを摂取することでミトコンドリアの酸素利用効率が改善し、運動が楽にできるようになると考えられる』と出ています。スマートフォンのアプリでも「インターバル速歩」が出ていますので、気になる方はぜひこちらから試してみてください。(iPhone対応 Android対応版もリリース予定)

参照:ウォーキングの科学(講談社)