ALAの不思議な魅力
ーがん細胞が光る?ー

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正常細胞とがん細胞では、違う働きをするALA?
ALA(5-アミノレブリン酸)は、もともと細胞の中にあるミトコンドリアと呼ばれる器官で作られる天然のアミノ酸の一つです。
ミトコンドリアの中でミネラルと組み合わさり、シトクロムやヘムという物質へと変化していき、体を動かすためのエネルギーを生み出したり、血液の原料へとなる大事な役割を担っています。正常な細胞では、外から取り込まれたALAもミトコンドリアの中でエネルギーを生み出す物質へと代謝されます。しかし、がん細胞の場合、外から取り込まれたALAはうまく代謝することができずに、がん細胞の中でポルフィリンという物質に変化した状態でがん細胞の中に蓄積されます。

ALAを飲んで光を当てるとガン細胞だけが光る

がん細胞が光る?
この「ポルフィリン」という物質は、光感受性物質と呼ばれ、ある一定の波長の光を当てると光る性質を持っています。つまり、がん細胞の部分だけが赤く光ってみえるのです。この特徴を利用した「光線力学診断」という手術法では、光っているがん細胞の部分だけを切除することができます。現在、この方法は脳腫瘍の摘出手術に応用され、ALAを用いて光っている脳腫瘍だけを摘出するという手術が行われています。この手術の利点は、肉眼では判別しづらいがん組織の部分だけを的確に摘出することができるため、取り残しが少なく、再発や転移のリスクが最小限に抑えられるところです。

腫瘍部分だけが光るモデル写真

また、脳腫瘍だけでなく、他のがんでも光る特性があることから、2017年9月に膀胱がんの手術においてもALAを利用した「アラグリオ顆粒剤」という光線力学診断用剤が、厚生労働省から製造販売の認可を受けました。この製剤は、膀胱がんの切除術式の一つで、内視鏡で見ながら腫瘍を電気メスで切除する時に利用する製剤です。手術開始の3時間前に患者に「アラグリオ顆粒剤」を飲んでもらい、手術中に患部に青色励起光という特殊な光を当てることでがんの部位が赤く光り、光っているがん細胞だけを摘出するというものです。

世界ではじめての製剤
この膀胱がんを光らせる技術は、高知大学の医学部とSBIファーマ㈱の共同研究によって世界ではじめての製剤として開発されました。以前は脳腫瘍の手術の際だけに保険が適用されていましたが、ALAを利用した膀胱がんの光線力学診断においても保険が適用されることになりました。前述の通り、ALA自体はもともと体の中で作れられるアミノ酸の一種なので安全性が高く、患者さんへの負担も掛からないので、今後は脳腫瘍や膀胱がんの摘出手術だけに限らず、他のがんの手術でも広がっていくことを期待したいですね。

参考:高知大学医学部附属病院泌尿器科学講座のWEBサイト
http://www.kochi-ms.ac.jp/~hs_urol/research.html

ALAの不思議な魅力
ー呼吸に関係しているALA!?ー

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呼吸の終着点はミトコンドリア!?
日頃、私たちは意識せずに呼吸をしていますが、私たちが吸った息はどこへ行ってどのように使われているのでしょう?
呼吸は「外呼吸」と「内呼吸」に分かれていますが、呼吸によって取り込まれた空気は、肺で酸素を取り込みながら二酸化炭素を外へ吐き出します。この肺で行われる呼吸が「外呼吸」と呼ばれています。この肺から取り込まれた酸素は、血液中に溶け込んで細胞の中にあるミトコンドリアと呼ばれる小器官に運ばれて使われます。この時に二酸化炭素が生み出され、血液中に排出されます。この呼吸が「内呼吸」と呼ばれています。

江戸時代の甘酒売り

このミトコンドリアでは、呼吸によって取り込まれた酸素を使って、食べ物から得た栄養素をエネルギーに変える働きをしていて、体温を保ったり、体を動かしたり、生命活動を支える大切な働きをしています。酸素がうまくミトコンドリアに届けられないと栄養素をエネルギーに変えることができずに、私たちは動いたり呼吸したりすることもできません。呼吸によって取り込まれた酸素は最終的にミトコンドリアで使われていました。

深い呼吸で不調を改善!
ストレスや緊張により自律神経のバランスが乱れ、知らない間に呼吸が浅くなってしまうことがあります。呼吸が浅くなると酸素が十分に取り込まれないので、体がだるくなったり、集中力・記憶力が低下したり頭痛などが起き、生活の質を下げてしまうことにつながります。普段から深い呼吸をして、酸素を体のすみずみまで行き渡らせることが、健やかに過ごすコツともいえるでしょう。腹式呼吸で横隔膜をうまく動かし肺を伸縮させることで、効率よく酸素を取り込むことができます。横隔膜とは、胸とお腹の境界線で仕切りになっているドーム状の筋肉で、シリンダーのように上下に動くことで肺を伸縮させます。腹式呼吸により横隔膜を意識的に動かすことも可能です。

腹式呼吸のポイント

  • 背筋を伸ばしてゆったりと呼吸をする
  • 息を吸った時にお腹に空気を貯めるイメージ
  • お腹の中に風船が入っているイメージ

呼吸とALAの関係
ALA(5-アミノレブリン酸)は、ミトコンドリアの働きを促しエネルギーを生み出す効率を向上させる効果があります。信州大学で行われた運動効率の実験によると、ALAを摂取して運動することで酸素の摂取量と二酸化炭素の排出量、そして血漿中乳酸値がいずれも減少し、運動効率が上がったという発表がありました。それはALAによってミトコンドリアの内呼吸が促進されて酸素の利用効率が向上したと考えられます。深い呼吸はとても簡単で誰にでもできる健康法の一つです。ぜひ普段から深い呼吸を心がけてください。

ALAの不思議な魅力
ー甘酒に豊富なALAが!?-

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「夏に甘酒を」は理由がある!
甘酒など発酵によって作られる飲みものや食品の多くは中国から伝わってきていますが、日本で甘酒は1700年ほど前まで遡った古墳時代の頃から、神事の供え物として使われていたようです。
現在でも正月に参拝者に甘酒を振る舞う寺社が多く、一般的に甘酒は冬の飲みものというイメージが強いですが、実は江戸時代には、甘酒は夏の風物詩として親しまれていました。

江戸時代の甘酒売り

江戸時代の死亡率は、一年の中で夏が一番高く、老人や子供だけでなく大人でも暑さが続くと体力が低下しやすく、亡くなる人が多くいました。
現代のように栄養ドリンクのようなものがなかった時代ですから、栄養価の高い甘酒は、夏バテや熱中症の予防に夏の必需品として人気があったようです。

甘酒に「ALA」がいっぱい?!
甘酒には、エネルギー源となるブドウ糖が20%と最も多く、その他にも、ビタミンB1・B2・B6・C、ビオチン、葉酸、ミネラル、食物繊維、酵素、システイン・グルタミンなどのアミノ酸が含まれています。
これらの栄養分によって基礎体力を高めてくれるので、夏バテだけでなく風邪なども予防してくれます。
また食物繊維は、腸内環境を整えてくれるので、下痢や食中毒の予防も期待できます。
さらにビタミン類、アミノ酸など美肌、美白に効果的な成分も豊富です。

甘酒に含まれる豊富な栄養分

実は、甘酒1kgには6mgという非常に多くのALAが含まれています。
ALAは、甘酒をはじめ味噌や日本酒、黒酢、醤油、赤ワインなどの発酵食品の中に含まれていますが、その中でも甘酒の含有量はとても多いのです。
近年の研究により、甘酒に含まれている栄養成分の多くが解明されていますが、先人たちが生み出した食文化の知恵は素晴らしいですね。

夏でも工夫して美味しく甘酒を
糖類などの栄養分が少なかった江戸時代に比べて、今では糖質が多い食品が多く、甘酒は健康にいいとはいえ、飲み過ぎるとカロリーを摂りすぎるため、少しアレンジしてカロリーを控えることもできます。

1.甘酒+豆乳

イソフラボンやサポニンなどの栄養素が豊富な豆乳と1:1の割合で混ぜるだけです。
特に女性にとってはうれしい魅力的な組み合わせというだけでなく、甘酒が苦手な人にもピッタリの飲みものです。

2.甘酒+ヨーグルト

甘酒を甘味料の代わりに、プレーンヨーグルトに好みの量を混ぜるだけです。
2つの発酵食品で腸内環境を整え、便秘解消やダイエットなどにも効果が期待できます。
お好みでごまやチアシード、グラノーラをたっぷりと加えれば、さらにおいしく食べることができます。

「夏に甘酒」、日本で昔から伝わる飲みものと風習を、お好みにアレンジして今夏、楽しんでみてください。

ALAの不思議な魅力
-あまり知られていないALAの応用範囲-

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エネルギーを変換させる働きを担うALA
ALA(5−アミノレブリン酸)は、植物から動物まであらゆる生命体の細胞の中でエネルギーを生み出す仕事をしています。
このエネルギーを生み出す時には、外から得たエネルギーを 他のエネルギーに変換させるという活動が必要で、この活動がうまくいくことによって私たちは動いたり、呼吸することができるのです。
例えば地球上では、植物が太陽から光を浴びて光合成を行い、育っていきますが、これは植物が光エネルギーを成長するために必要なエネルギーへ変換させる活動です。そして、 植物から排出された酸素は、ヒトや動物が呼吸をして取り込みます。この呼吸も、酸素と栄養素を生きるために必要なエネルギーへと変換させるための活動です。
この「光合成」と「呼吸」が、エネルギーへ変換するための最も大きな現象で、ALAはこのどちらにも関わっています。
植物の場合、外からALAとミネラルを一緒に与えることで光合成が活発になり、実がしっかりした果物ができたり丈夫な作物ができるので、現在ALAとミネラルは肥料として利用されています。一方で、ヒトの場合は、ALAとミネラルを補うことで、呼吸から得た酸素と栄養素を効率よくエネルギーに変換し、基礎代謝が上がったり運動能力が向上します。

健康分野からエネルギーの分野まで広がる可能性を秘めたALA
このようにALAには、植物だけでなく、動物などあらゆる生命体のエネルギーを生み出す大もとの部分で働く特徴を持つため、様々な分野での応用が広がっています。すでに 健康、医療、美容、農業の分野で利用されていますが、特に医療分野では様々な応用研究が進んでいます。

【医療分野でのALAの応用研究】
・ 脳腫瘍、膀胱がん、前立腺がん、子宮頸がんの診断薬として利用され、現在はがんなどの治療薬としての研究が進んでいます。
・ 抗マラリア薬としての研究
・ パーキンソン病への臨床実験
・ ミトコンドリア病への臨床実験 その他にも、様々な医療分野での研究が進められています。

前述の通り、農業の分野ではすでに肥料として実用化されていますが、砂漠化が進んでいる地域で、ALAを肥料として利用することで緑化を促し砂漠化を防げる可能性もあります。さらに、効率よく植物を育てることで、バイオエネルギーとしての活用も期待されています。畜産分野においては、鶏の飼料にALAを添加することで、 鶏の免疫機能を増強させることが解明されたり、豚の飼料へ添加したことすることで体調が向上することが確認されています。ペットなどへの健康補助食品としても多いに期待できます。まさにALAの可能性は様々な分野へと広がりを見せているのです。 実用化されるまで、まだ時間がかかる分野もありますが、近い将来ALAを活用できる分野も出現することでしょう。

ALAの研究開発が日本バイオベンチャー大賞「経済産業大臣賞」を受賞

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2017年3月1日第10回「日本バイオベンチャー大賞」(主催・フジサンケイビジネスアイ)の贈賞式が神戸市の甲南大学ポートアイランドキャンパスで開かれました。この大賞の中の経済産業大臣賞として5-アミノレブリン酸に特化した事業を行うSBIファーマ株式会社が選ばれました。

日本バイオベンチャー大賞は、バイオビジネスを担うベンチャー企業の独創的な研究成果や革新的なバイオ関連機器開発などを評価・表彰するものです。

ALA(5-アミノレブリン酸)においては、代謝を改善させることで様々な疾病の予防や治療が可能なことを見出され、様々な研究開発が進められていることが評価されました。具体的な研究成果として、ALAを用いた光線力学診断の実用化、がんなどに対する光線力学治療の進捗、糖尿病に対する効果、ミトコンドリアの機能が低下する難病、マラリアに対する予防や治療の可能性が見出されていることがあげられます。

授賞されたSBIファーマ株式会社の代表取締役 執行役員副社長でありALA研究開発の第一人者である田中徹博士はこのようにおっしゃっていました。

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「会社を立ち上げて9年になります。今回このような大きな賞をいただき、今までの努力がむくわれたと喜んでいます。ベンチャー企業として賞をいただいたことももちろんうれしいのですが、受賞を通じてまだまだ知名度の低いALAのことを一人でも多くの方に知っていただければと期待しています。

今回、レセプションでパネルを展示したのですが、高円宮久子殿下にも足を止めていただき、特に幼い子の難病であるミトコンドリア症への取り組みに強い関心を頂きました。作用メカニズムにも関心をいただき、アンチエイジングにも役立ちそうとのお言葉も賜りました。今回の受賞が広くALAを知ってもらえる機会になればと期待しています。」
SBIファーマ株式会社 代表取締役 執行役員副社長
田中 徹
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様々な分野で着実に成果を上げ始めているALAの研究開発ですが、多くの疾病の重要な要因が代謝機能の低下によるものであればALAの可能性はさらに広がってきます。
これからの研究成果が期待されます。
今回の日本バイオベンチャー大賞については、以下のURLからご覧いただけます。
http://www.fbi-award.jp/bio/past/10th.html